フリン・ベリー著、田口俊樹訳
姉レイチェルの家を訪れたノーラは、吊るされた犬の死体、そして血まみれのレイチェルを発見する。警察は殺人事件として捜査を始めるが、ノーラは15年前にレイチェルが襲われ暴行を受けた事件と関連があると考え、独自の犯人探しに固執していく。
これは邦題が上手い!正に「レイチェルが死んでから」ノーラが何を考えどう行動していくのかという話なのだ。彼女の一人称なので、過去の記憶も現在の出来事も、あくまでノーラが感じ、考えた範疇にとどめられている。なので、実際にあの時、そして今何が起きたのかは、実のところ不明瞭な部分も多い。いわゆる「信頼できない語り手」で、思考も行動もどこかふわふわしている。彼女が何を意図しどこへ向かっているのか、なんとなくはぐらかされている感じがするのだ。そのはぐらかしの理由が原題「Under the harrow」にあるということなので、邦題によって二重にはぐらかされているという面も。苦しすぎると物事への対し方が傍から見ると不可解なものになってしまう。ノーラの苦しみの道筋を描いた話でもあるのだ。
姉レイチェルの家を訪れたノーラは、吊るされた犬の死体、そして血まみれのレイチェルを発見する。警察は殺人事件として捜査を始めるが、ノーラは15年前にレイチェルが襲われ暴行を受けた事件と関連があると考え、独自の犯人探しに固執していく。
これは邦題が上手い!正に「レイチェルが死んでから」ノーラが何を考えどう行動していくのかという話なのだ。彼女の一人称なので、過去の記憶も現在の出来事も、あくまでノーラが感じ、考えた範疇にとどめられている。なので、実際にあの時、そして今何が起きたのかは、実のところ不明瞭な部分も多い。いわゆる「信頼できない語り手」で、思考も行動もどこかふわふわしている。彼女が何を意図しどこへ向かっているのか、なんとなくはぐらかされている感じがするのだ。そのはぐらかしの理由が原題「Under the harrow」にあるということなので、邦題によって二重にはぐらかされているという面も。苦しすぎると物事への対し方が傍から見ると不可解なものになってしまう。ノーラの苦しみの道筋を描いた話でもあるのだ。