3つ数えて目をつぶれ

映画と本の感想のみを綴ります。

『水を縫う』

寺地はるな著
 刺繍が好きで高校入学早々、クラスの自己紹介で「手芸部に入るかも」と宣言した清澄。結婚を控えた姉の水青はかわいいものや華麗なものが苦手で、ウェディングドレスを着なければならないことに悩んでいる。清澄は姉のためにウェディングドレスを作ると宣言する。しかし母・さつ子は反対し、清澄が手芸好きなことにもいい顔をしない。
 母親は清澄は弱弱しいと思っているが、入学早々自分の好きなものを、それがまとうイメージに押されず表明できるというのは相当強いのではないだろうか。清澄は男子が手芸が好きと言うとクラスでも浮くだろうということはもちろんわかっているし、これまでもそういう経験をしてきた。それでも“でもさびしさをごまかすために、自分の好きなことを好きでないふりをするのは、好きではないことを好きなふりをするのは、もっともっとさびしい”のだ。また清澄にしろ同級生のくるみにしろ、いわゆる好きなことを仕事にして生きていきたいというわけではない。好きなことは単に好きなことであり、生活の為の技とは別物だ。そこがさつ子にはわからない。
 さつ子は子供たちに平穏に生きてほしいから悪目立ちしてほしくない、周囲から目を付けられないように、当たり障りなく平均的な人生を送ってほしい、それが幸福だと考えているのだが、彼女の思う幸せは清澄の幸せとは異なる。さつ子は「男性/女性だから」、「~ならこうあるべき」ないしは「これなら安全」という意識が強く、それは時に鈍感さにも見えるのだが、子供が心配だからこその言動ではある。ただ、幸せに王道はなく、清澄は彼女が思っているよりももっと先に行っているのだ。
 清澄は元々好きなことをどんどん突き進めているのだが、家族たちもまた自分が何が好きで何をやりたかったのか、そして何が嫌で何に傷ついたのか自覚していく。それは生きることが少し自由になることではないか。また、離婚した清澄たちの父と、その面倒を見ている友人との関係、更に彼と清澄らとの関係のあり方も印象に残った。これもまた家族と言えるのでは。家族と名付けられるものの形は実は曖昧で、多様で不定形なものではと考えさせられる。

水を縫う (集英社文芸単行本)
寺地はるな
集英社
2020-05-26






『みんなが手話で話した島』

ノーラ・エレン・グロース著、佐野正信訳
 アメリカ、ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島は、セレブが別荘を置くリゾート地として知られる。しかし20世紀初頭まで、遺伝性の聴覚障害を持つ人が多く見られる土地でもあった。この島では誰もが手話を使って聞こえる・聞こえないにかかわりなく、「会話」をしていたのだ。そして就業状況や経済的背景、結婚や出産や政治への参加についても同じように行われていた。文化人類学者である著者によるフィールドワーク。
 20世紀半ばになるとマーサズ・ヴィンヤード島に聾者はほぼいなくなったそうだ。著者は島で、聾者と健聴者がまじりあって生活していた当時をまだ覚えている高齢者に丹念に話を聞き取る。老人たちの話では、聾者が聾者であるということを特徴づけるようなエピソードがあまりなかったという点が象徴的だ。ボートで沖に出て漁をしていたとか、いたずら好きだったとかという生業や人柄についての記憶が先に出てきて、そういえば聾だったと後から思い出すという流れなのだ。つまりそこに「障害」という認識はなかったということだ。バリアフリーというのはこういうことなのだと痛感させられるエピソードだ。障害者にとっての不便さをカバーするような要素が社会の中に織り込まれていれば、それは障害ではなくなる。障害というのは個人側ではなく社会が生むものだということを、マーサズ・ヴィンヤード島の社会が体現していたのだ。
 バリアフリーな社会が形成される為には少数派が政治に参加していることも、当事者の問題が施策に反映されるという点で重要だろう。そして少数派といってもそれなりの数が必要なこともわかる(マーサズ・ヴィンヤード島は聾者の人口が極めて多かった)。やはり数なのか…。

みんなが手話で話した島 (ハヤカワ文庫NF)
ノーラ エレン グロース
早川書房
2022-10-04


『ミン・スーが犯した幾千もの罪』

トム・リン著、鈴木美朋訳
 大陸横断鉄道完成間近のアメリカ西部。殺し屋のミン・スーは、予知能力を持つ老人と共に、かつて妻を奪い自分に罪を着せた人たちに復讐の旅に出る。奇術ショーの一座の用心棒をしながら、終着地のカリフォルニアを目指す。
 大変好みの作品だった。著者は25歳で本作でデビューしたそうだが、デビュー作とは思えないこなれ方。文章も構成も出来上がりすぎていて唸る。25歳でこれか…。コーマック・マッカーシーの作品を彷彿とさせる乾いた情感があると同時に、すこしだけ地上から浮いたような魔術的な要素を含む。預言者の言葉であったり奇術ショー一座の面々の不思議な能力はダークファンタジー的な味わいもあった。
 死を回避した、「境界を越えた」男であるミン・スーの旅路は、死へと向かっていく、異界へと入っていく旅のように思えた。彼がそのまま異界へ行ってしまうのか、人の世に帰ってこれるのかが一つのサスペンスになっている。ミン・スーを突き動かすのは復讐心と妻への愛なのだが、愛はあくまで彼の側の愛であり、彼の記憶に基づく、思い込みといってもいいものだと思う。妻の側の愛は果たして今も存在するのかわからない。記憶をよすがにする、生きる原動力にするというのは、どんどん自己完結していくことなのかもしれない。それは時に狂気に近いものなのではないか。ミン・スーはともすると狂気の方向に行ってしまいそうに見える。彼を引き留めようとする要素もあるのだが、まっすぐに妻との記憶、自分の過去に向かって進んでいくのだ。 一方で、記憶をすぐに失くしてしまう、過去を持たない人たちもいる。それはともすると寂しく心もとないのかもしれないが、同時にある意味自由だ。過去に執着すること、手放すこと、受け入れることが登場人物それぞれに象徴されているように思った。


オンブレ (新潮文庫)
レナード,エルモア
新潮社
2018-01-27



『ミュージアムグッズのチカラ2』

大澤夏美著
 日本各地の美術館・博物館のオリジナルグッズを収集・紹介したヒット作『ミュージアムグッズのチカラ』まさかの第二弾。「かわいさを楽しみたい」、「感動を持ち帰りたい」、「マニアックを堪能したい」、「もっと深く学びたい」という4つの方向性にわけて様々なグッズを紹介する。
 1作目はミュージアムグッズの紹介であると同時に、グッズを販売している博物館・美術館に行きたくなる好作だった。選りすぐりのグッズ、1冊では紹介しきれないものがまだまだあったんだなぁと感心するが、それは日本にはまだまだ面白い美術館・博物館が色々とあるということだろう。グッズを通して美術館・博物館がどういう趣旨で運営されているのか、そこに携わる職員の情熱、そして施設の魅力が伝わってくる。グッズの写真を見ているだけでも楽しいのだが、なぜその形状に至ったのかという経緯がわかるとより楽しいし(八尾市立しおんじやま古墳学習館のグッズに「歯ブラシ」があるのだが、なぜ歯ブラシなのか初めて知った)、グッズに込められた思いに心打たれたりもする。そしてやはり地方の美術館・博物館に行きたくなる!
 ミュージアムグッズは自分用に買うだけでなく、お土産として買うという側面もあるだろう。このグッズだとあの人にいいかも、これはあの人が喜びそうだな、これは小さくて持ち運びも楽そう、等々色々と想像ふくらみ楽しい。今回自分用にほしくなったのは室生犀星記念館の豆本ブローチと、野付半島ネイチャーセンターのオリジナル・ピンバッチ。お土産にいいなと思ったのは福井県立若狭歴史博物館の解体新書ノートと高知県立牧野植物園のMakino orijinal blend tea。

ミュージアムグッズのチカラ2
大澤夏美
国書刊行会
2022-05-28



『(見えない)欲望へ向けて クイア批評との対話』

村山敏勝著
 規範が作用する場から見えない欲望を引き出し、新たな解釈を与えるというクィア批評。英文学の様々な古典やセジウィック、ジジェク、バトラーらの理論を元にクィア批評の現在までの流れとそのあり方、それを用いてどのような思考の展開が可能なのか論じていく批評集。
 クィアとは何ぞや、ということがこれまでぴんときていないままクィア批評を目にすることも多かったのだが、本著によるとざっくりと(性的な)規範からの逸脱であり、異性愛/同性愛という二分法自体への批評にあたる概念ということになるだろうか。セクシャリティが基盤となって発生した概念なのでクィア批評もセクシャリティなし、というかセクシャリティの規範なしには成立しないことになるのだろうか。現在はセクシャリティのマジョリティ、マイノリティの差異が社会の中にあるが全部フラットな状態で「規範」が希薄になった時(そういう時は多分こないだろうが。異性愛/同性愛という対立項があっても同性愛の中でもまた別の規範が生まれるわけだし。規範はグループの中で延々と生じていく)、クィア批評って成立するのだろうかということをちょっと考えた。
 それはさておき本著、私には少々荷が重かったな…やはりラカンもジジェクもセジウィックも通過していない者には高いハードルだったか。とは言えクィア批評という視点で古典文学を読み直すというのはやはり面白い。新しい概念が出てくると思考の飛距離が伸びるものなんだなと。その思考が人間のセクシャリティから離れられない故に生まれたものだという所がまた奇妙に思える。


<女>なんていないと想像してごらん
ジョアン・コプチェク
河出書房新社
2004-07-21




『ミュージアムグッズのチカラ』

大澤夏美著
 日本国内の様々な美術館・博物館が独自に作り販売しているミュージアムグッズ。その魅力と奥深さに取りつかれた著者が、全国津々浦々で収集したミュージアムグッズと、それに込められた美術館・博物館の思いを紹介するガイドブック。
 私、漢字表記できるものをカタカナ表記にする(キセキとかミライとか。フラット化できると思ってんの?)昨今の風潮が嫌いなんですが、本著に関しては(納得はしないが)許す。装丁も楽しげだが中身がすごくよかった。有名どころから渋いところまで、全国の美術館・博物館の厳選オリジナルグッズを豊富な写真と共に紹介する。眺めているだけでも楽しいが、本著の最大の魅力はグッズを作った美術館・博物館のスタッフや委託先の会社に対するインタビューだ。美術館・博物館グッズは漫然ときれいなもの、かわいいものを作ろうとしているのではなく、自施設の所蔵品をどのように紹介するか、その所蔵品の背景・意味合いをグッズに盛り込めるのか、広義の展示の一部として考えられてるのだと思う。もちろん収益を上げる為にはグッズを売ることは重要だが、単に売れるグッズではなく、自分たちがそのグッズを作って売る意味はどこにあるのかという掘り下げが熱いのだ。インタビューを読むことで、よりグッズが欲しくなるしいうまでもなく美術館・博物館に行きたくなる。もりおか歴史文化館の河童トートバッグ、必ず買います。私が現地に行けるようになるまで廃盤にしないでください…。

ミュージアムグッズのチカラ
大澤夏美
国書刊行会
2021-07-24


東京のちいさな美術館めぐり
浦島茂世
ジービー
2015-03-19


『ミドルマーチ4』

ジョージ・エリオット著、廣野由美子訳
 銀行家バルストロードの暗い過去がミドルマーチの住民たちに知れ渡ってしまう。借金に苦しみバルストロードから援助を受けた医者リドゲイドにも、バルストロードに加担したのでは疑いの目が向けられる。リドゲイドの妻ロザモンドは経済難にも世間からの目にも耐えきれず、ロンドンから戻ったウィルに再び心惹かれる。しかしウィルは依然としてドロシアを愛していた。世間からいわれのない非難を受けるリドゲイドを心配したドロシアは、彼への援助を申し出る。
 ミドルマーチというさほど大きくない町で繰り広げられる群像劇、完結編。この作品、登場人物が金銭トラブルの只中にいるというシチュエーションがやたらと多く、金策を考えなくてはならないって本当に嫌なことだよね!と時代を越えてしみじみ哀しくなってしまった。お金さえあれば家族とも友人とも恋人とももめなくて済んだのに…という事態は実際に多いと思う。お金で解決できることって何だかんだ言って多いんだよなと。愛による苦しみよりお金(のなさ)による苦しみの方が全然大きいような…。また登場人物たちを苦しめるもう一つのものは、世間の評判というものだ。第74章の冒頭で世間での評判とそれをあれこれ言う人たちについて、非常に辛辣な記述がある。あれこれ言う人たちは良かれと思って(良かれと思い込みたくて)言っている、「つまり、そういう衝動とは、熱烈な慈悲心からよかれと思って、隣人を不幸にすることだと言ってよいだろう」。人間の世はいつまでたっても変わらないな…。そういう声に振り回されるのをやめると、ドロシアやウィルのように自分の人生を多少歩みやすくなるのだろう。当時は現代よりも「世間」(本作を読んでいると信仰も得てして「世間」的だ)が強かったろうし、なかなかそうは思えないのが辛い所なのだろうが。
 人間の器の小ささや意固地さ、ちょっとした嫉妬や見得を示す心理・行動の描写がこと細かで、なかなかに辛辣だがユーモラス。どの登場人物もあまりお近づきにはなりたくないが、心底嫌いにはなれない。ラストは大団円と言ってもいいのでは。

ミドルマーチ4 (光文社古典新訳文庫 Aエ 1-5)
ジョージ・エリオット
光文社
2021-03-10


サイラス・マーナー (光文社古典新訳文庫)
ジョージ・エリオット
光文社
2020-02-28


『ミラクル・クリーク』

アンジー・キム著、服部京子訳
 バージニア州郊外の町ミラクル・クリークで放火事件が起きた。火災が起きたのは酸素治療施設「ミラクル・サブマリン」。焼死した少年の母親が逮捕され、1年後、裁判が始まる。ミラクル・サブマリンを利用していたのは生涯や難病を抱える子供たちとその親たちだった。彼らの間で何があったのか。
 被告側弁護人と検察官とがやりあう法廷劇のパート、事件が起きるまでの関係者たちの過去、裁判中の関係者たちの現在が交互に進行していく。登場人物それぞれの視点で描かれるのだが、誰もが何か隠し事をし、嘘をついている。ではなぜ隠したのか、その嘘は何の為なのかという部分が謎の核心になっていく。それぞれの視点が他の人の視点の死角を補完していきパズルのように面が広がっていく、ミステリとしての組み立て方が上手い。「誰が」「なぜ」の双方がどんどん接近していき、ぐいぐい読ませる。こういう時って往々にしてこういうことをしていまうのでは、という人間の弱さ・狡さに対する説得力があるのだ。誰かがもう少し勇気があれば、正直であれば、事件は起きなかったのではとも思え、そこがやりきれない。
 ミラクル・サブマリンを運営するのは韓国系移民の一家だが、アジア系移民に対する偏見や風当たりの強さがきつい。あからさまな悪意よりも、善意のつもりで偏見に満ちた発言をするという無自覚ぶりが実にきつい。アメリカの自由でも平等でもない側面が描かれている。また自閉症や難病を抱えた子供の親の負担が心身ともに大きい様、特に精神的な追い詰められ方が刺さってくる。個人としての自由、楽しみを感じることに罪悪感がつきまとうというのがしんどい。


パチンコ 上 (文春e-book)
ミン・ジン・リー
文藝春秋
2020-07-30


『緑の髪のパオリーノ』

ジャンニ・ロダーリ著、内田洋子訳
 畑で働くピエトロの家に生まれたのは、緑色の髪の赤ん坊だった。その子は「サラダのパオリーノ」と呼ばれるようになり、髪の毛はやがて大きな木になっていった。本著の題名の元になった「パオリーノの木」を始め、ちょっと不思議でユーモラスばお話を集めた短編集。
 オチをつけようという意欲があまりない、目の前の子供に即興で語りかけるような語り口だ。私にとってのロダーリ作品は『チポリーノの冒険』なので、こういう作品も書く人だったのかと新鮮だった。最後、急にあなたはどう思います?と投げっぱなしにしたり、微妙に説教くさくなったりするところも「語り」っぽさがある。えっこういう終わらせ方しちゃうんだ…というかなりいい加減に見えるものもあるのだが、それも自由でいい。寓話的なものや、著者自らイソップっぽいと称しているいかにも童話的なものも多いが、「月の思い出」「空」のような作品の方が詩的で自分にははまった。「パオリーノの木」は童話寄りではあるが、イメージがとても詩的だと思う。そして猫!ロダーリは猫が好きなんだな~としみじみかみしめた。猫が登場する作品、特に猫主観の世界が見られる『しゃべる猫』『クリスマスツリーの陰で』はユーモラスで楽しい。一方、狐は常にずるがしこい悪者扱いなのは納得いかないなー(ヨーロッパ圏ではそういうイメージだということなんだろうけど、そういう所で型にはまらなくてもいいのよ…)。

緑の髪のパオリーノ (講談社文庫)
ジャンニ・ロダーリ
講談社
2020-11-13


猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)
ジャンニ ロダーリ
光文社
2006-09-07




『三つ編み』

レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子訳
 インドに不可触民(ダリッド)として生まれたスミタは悲惨な境遇から抜け出すために娘を学校に通わせようとするが、社会のシステムの前に希望を断ち切られる。イタリアで父親が経営する毛髪加工工場で働くジュリアは、工場の経営危機に直面し、金の工面の為望まぬ結婚を迫られる。カナダで弁護士として順調なキャリアを積んでいるシングルマザーのサラは癌を告知された。3人の女性の人生がある一点で交錯する。
 髪の毛のリレーで3人の女性が、自分たちではそうとは知らずにつながっていく。彼女らは3人とも女性に課された抑圧から逃れ、自由を手にしようとする。スミタが生きるインドでは生まれた階層から移動することは容易ではない。女性ならなおさらだ。人生の選択肢が極端に少ない。それに比べるとジュリアやサラは自由と言えば自由。しかしジュリアもお金の為の結婚を期待されるし、人生勝ち組のように見えたサラも、その勝ち組になるには絶対に弱みは見せられないし負けられない、男性よりも失敗が許されないという理不尽な社会の壁にぶち当たる。彼女たちがその社会の枠組みから少しだけ自由になり、自分の人生に手を伸ばす様は清々しい。
 が、本作はいわゆる女性の連帯につながるわけではない。3人が物理的にお互いのことを全く知らないというのも一因なのだが、3人が置かれている社会背景、経済状況がかなり異なる。3人とも自分の人生を掴もうとする点では共通しているが、ジュリアのビジネス、またサラのある決意は、スミタのような境遇の人達を搾取する行為と言えるだろう。需要と供給といえばそれまでかもしれないが、その不均等が気になるといわゆる「いい話」とは読めなくなってくる。3人が持つ苦しみが同じものとは言えないし、持っている選択肢の数が全然違う。階層の違いという部分で越えられない溝を感じた。

三つ編み
レティシア コロンバニ
早川書房
2019-04-26


リラとわたし (ナポリの物語(1))
Elena Ferrante
早川書房
2017-07-06








ギャラリー
最新コメント
アーカイブ
記事検索
  • ライブドアブログ