くどうれいん著
「おばけ」になって歌う岬、失恋の「葬式」のために喪服姿でやってきたミオ、暗号好きなスズキ、振られる為に東京に来た著者を迎えてくれたタムさんとのどか。さまざまな「ともだち」がぞろぞろ登場するエッセイ集。
「工藤さんって友達多そうっすよね」と言われて、げ、と思ってしまうという著者。友達という言葉が苦手、友達の多さが人間の価値だなんて安易なものさしだ!というわけで大変共感できるのだが、しかし本著を読んでいると著者はばっちりと友達が多いし、その友達を非常に大切にしており誠実であるように思える。友達ではなく「ともだち」。世間でよかろう美しかろうとされている関係とはちょっと違う、しかし得難い関係性。情が深いというよりも、相手の個性、あり方に対する尊重がお互いにあるのだと思う。それは友人でも恋人でも家族でも同じだ。「仲良く」と「尊重」は必ずしも一致しない。「みんな仲良く」である必要はないんだよな。
それにしても、著者が結構な頻度で振られており、その振られ方に対するエネルギーがなんだかすごい。えっこんな強烈に悲しむようなことだったっけ?これが若さか…。
「おばけ」になって歌う岬、失恋の「葬式」のために喪服姿でやってきたミオ、暗号好きなスズキ、振られる為に東京に来た著者を迎えてくれたタムさんとのどか。さまざまな「ともだち」がぞろぞろ登場するエッセイ集。
「工藤さんって友達多そうっすよね」と言われて、げ、と思ってしまうという著者。友達という言葉が苦手、友達の多さが人間の価値だなんて安易なものさしだ!というわけで大変共感できるのだが、しかし本著を読んでいると著者はばっちりと友達が多いし、その友達を非常に大切にしており誠実であるように思える。友達ではなく「ともだち」。世間でよかろう美しかろうとされている関係とはちょっと違う、しかし得難い関係性。情が深いというよりも、相手の個性、あり方に対する尊重がお互いにあるのだと思う。それは友人でも恋人でも家族でも同じだ。「仲良く」と「尊重」は必ずしも一致しない。「みんな仲良く」である必要はないんだよな。
それにしても、著者が結構な頻度で振られており、その振られ方に対するエネルギーがなんだかすごい。えっこんな強烈に悲しむようなことだったっけ?これが若さか…。