ウシジマ(山田孝之)が社長をしている闇金「カウカウ・ファイナンス」に、元暴走族のヘッド愛沢(中尾明慶)がヤンキーのマサル(菅田正暉)を連れ込んでくる。マサルは仲間とはしゃいで愛沢のバイクを盗難、故障させ、愛沢はマサルに借金させ自分への慰謝料を取ろうとしていた。ウシジマは返済能力なさそうなマサルへの貸付を拒否、マサルはウシジマに頼み込んでカウカウファイナンスで働くことに。原作は真鍋昌平の同名漫画で、2010年にTVドラマ化、2012年に映画化、2014年にTVドラマpart2が放送され、映画も2作目が発表された。監督が山口雅俊。
 TVドラマは見ていなかったのだが映画1作目が面白かったので、2作目も見てみた。今回は群像劇としての側面がより強まり、物語としてのうねりはちょっと弱くなったが、安定した面白さはある。さらに、普通の人が転がり落ちていく怖さはより強まっていると思った。
 本作に登場する債務者の面々は、ちょっとダメ人間だったりうだつが上がらなかったりもするが、根っからの悪人というわけではない。新人ホストの神咲麗(窪田正孝)や彼に貢ぐ少女・藤枝彩香(門脇麦)にいたっては、本作の登場人物の中ではわりとまともな人だろう。ただ、そんなまともな人であっても、ちょっとした欲望のスイッチがが入ることで、歯止めが利かなくなっていく。犯罪行為や強烈な悪意、あるいは壮大な野望ではなく、あとちょっと、もうちょっとというささいな欲とあさはかさ故に、取り返しがつかなくなっていくというところが、本シリーズのシビアさだろう。原因があまりに身近なのだ。
後半のそれぞれの登場人物の展開など、客観的に見たら「いやそれまずいだろ!」と突っ込みたくなるし、本人たちも冷静な状態だったら多分やらないのではないかというもの。その冷静な判断が出来なくなっているというのが一番怖いのだ。
 本作の中心にいるのが山田孝之演じるウシジマだが、彼は空洞みたいなもので、ウシジマ自身にドラマはない。存在としてちょっと表現が難しいキャラクターな気がするが、山田孝之は本当に有能かつ真摯な俳優だよなとしみじみした。ウシジマの、そこにいるだけで場を支配する雰囲気がちゃんと出ている。まばたきをほぼしないという荒業にも感心。