1994年。シングルマザーの母と持病のある幼い弟と暮らす青年ノア(アンソニー・ラモス)は就職活動中だがうまくいかない。とうとう弟の治療費の為に友人を手伝い高級車窃盗に手を染めるが、その自動車は突然勝手に動き出す。自動車の正体は異星人のオートボット、ミラージュ(ピート・デビッドソン)だった。オプティマスプライム(ピーター・カレン)率いるオートボットたちは故郷を離れ地球に身を隠していたのだ。しかしあらゆる星を食べ尽くす、巨大な敵「ユニクロン」が地球を次の標的に動き出した。ノアと考古学学芸員インターンのエレーナ(ドミニク・フィッシュバック)はオートボットたちと協力して地球の危機に立ち向かう。監督はスティーブン・ケイプル・Jr。
マイケル・ベイ監督が長らく手掛けてきたトランスフォーマーシリーズだが、前作『バンブルビー』以降はベイ監督の手を離れている(ベイは本作では製作で参加)。結果、オートボットたちの見せ方は各段に洗練されて画面が見やすくなった。無茶さはあまりないのでケレンは薄れたが、手堅い夏休み映画になっている。オートボットの仕組み、変形という本シリーズのキモの部分はより「わかってるな~」という見せ方。これまでのシリーズ作との関連性はそれほどない、パラレルな設定なので初見の人でも安心だ。
人間とオートボットが協力するのが本シリーズのお約束だが、今まで人間との距離感が近かったバンブルビーに代わり、本作では口達者なミラージュが活躍する。ちょっとペットみたいな要素があったバンブルビーと比べると、より「相棒」という感じはする。今までで一番人間が「一緒に戦う」感は強いかもしれない。本作、人間の2人がそこそこまともだし真面目。終盤の展開には日本のトランスフォーマーのアニメシリーズの影響もあるように思った。