1984年のアメリカ。人間よりも遥かに長寿で超人的な力を持つスーパーヒーロー・ワンダーウーマンとして人助け励むダイアナ(ガル・ガドット)は、スミソニアン博物館で働く考古学者という身分を隠れ蓑にしていた。ある日、博物館に願いをかなえるという伝説のある石が持ち込まれる。鉱物学者バーバラ(クリステン・ウィグ)もダイアナも伝説を本気にはしなかったが、実業家マックス(ペドロ・パスカル)が密かに石を持ち出し本当に願いを叶えてしまう。監督はパティ・ジェンキンス。
前半、いかにも80年代という街並みが映し出される。ショッピングモールでワンダーウーマンが強盗相手に大活躍するのだが、このパートは街並みや衣装、ヘアスタイルなど美術面だけではなく、モブ含め俳優たちの演技自体が80年代のハリウッド映画っぽい。オーバーアクション気味というか大味というか、あーこういう映画TVで(というか「午後のロードショー」で)見たことある…というよくわからない懐かしさを感じた。その懐かしみまで製作側の計算の内だったらすごいのだが、本作全体的にそういうノリで、よくも悪くも大味・大雑把。バーバラとダイアナの関係(コンプレックスと憧れから反転しての敵意なんて盛りのいいネタなのにあ!)や、マックスのキャラクター性、「真実」の声の使い方など、掘り下げようと思えばどんどん掘り下げられる要素が色々あるのに、全部ざっとさらいましたよくらいの扱い。ストーンの「願いをかなえる」ルールについても大雑把すぎて、今のはアリなのか?他の願いとの矛盾がどんどん増えるけど大丈夫?どの水準なら「叶えた」認定になるの?等々気になることが多すぎ。特に敵ボスであるマックスのキャラクターがいまいち立ち上がってこず、何が動機で何をどうしたいのかぼんやりしている。彼の生い立ちからくる欲望なのだと終盤に提示されるものの、取ってつけたみたいで、これまた勿体なかった。悪役に魅力がないというのはヒーロー映画としては片手落ちな気がする。
何より、スティーブ(クリス・パイン)の使い方があまりよくない。ある経緯で復活する彼だが、ダイアナの背中を押す為だけの装置になってしまっているように思った。前作ではダイアナとの関係を一から築いていくというストーリーがあったので一人の人間としての彼の姿が立ち上がってきたし、彼にとってのストーリーの側面もあった。が、本作ではダイアナ側のストーリーのみで、彼の事情というのはほぼない。フィクションの中の生き死にはどんなものであれストーリーの為の装置にすぎないということはできるだろうが、あまりに安易に使われるとちょっと冷めるし寂しい。一作目と逆転した着せ替えシーンなど楽しい所もあるのだが…。
前半、いかにも80年代という街並みが映し出される。ショッピングモールでワンダーウーマンが強盗相手に大活躍するのだが、このパートは街並みや衣装、ヘアスタイルなど美術面だけではなく、モブ含め俳優たちの演技自体が80年代のハリウッド映画っぽい。オーバーアクション気味というか大味というか、あーこういう映画TVで(というか「午後のロードショー」で)見たことある…というよくわからない懐かしさを感じた。その懐かしみまで製作側の計算の内だったらすごいのだが、本作全体的にそういうノリで、よくも悪くも大味・大雑把。バーバラとダイアナの関係(コンプレックスと憧れから反転しての敵意なんて盛りのいいネタなのにあ!)や、マックスのキャラクター性、「真実」の声の使い方など、掘り下げようと思えばどんどん掘り下げられる要素が色々あるのに、全部ざっとさらいましたよくらいの扱い。ストーンの「願いをかなえる」ルールについても大雑把すぎて、今のはアリなのか?他の願いとの矛盾がどんどん増えるけど大丈夫?どの水準なら「叶えた」認定になるの?等々気になることが多すぎ。特に敵ボスであるマックスのキャラクターがいまいち立ち上がってこず、何が動機で何をどうしたいのかぼんやりしている。彼の生い立ちからくる欲望なのだと終盤に提示されるものの、取ってつけたみたいで、これまた勿体なかった。悪役に魅力がないというのはヒーロー映画としては片手落ちな気がする。
何より、スティーブ(クリス・パイン)の使い方があまりよくない。ある経緯で復活する彼だが、ダイアナの背中を押す為だけの装置になってしまっているように思った。前作ではダイアナとの関係を一から築いていくというストーリーがあったので一人の人間としての彼の姿が立ち上がってきたし、彼にとってのストーリーの側面もあった。が、本作ではダイアナ側のストーリーのみで、彼の事情というのはほぼない。フィクションの中の生き死にはどんなものであれストーリーの為の装置にすぎないということはできるだろうが、あまりに安易に使われるとちょっと冷めるし寂しい。一作目と逆転した着せ替えシーンなど楽しい所もあるのだが…。
なお、ダイアナの衣装が全て素敵だった。着られるものなら自分でも着たくなる。