レイモンド・チャンドラー著、村上春樹訳
私立探偵フィリップ・マーロウは、裕福な老女エリザベス・マードックから、高価な金貨を持ち逃げしたという息子の妻リンダを探してほしいと依頼を受ける。マードックは元々息子とリンダとの結婚には反対で、離婚させたがっていたのだ。マーロウはリンダの友人や、金貨について問い合わせをしてきた古銭商を訪ねて回るが、リンダが金貨を持ち逃げしたというマードックの主張に疑問を持ち始める。
村上春樹によるチャンドラー新訳。清水俊二訳は以前読んだが、改めて新訳を読むと、こんな話だったっのかという新鮮さ(単にストーリーを忘れているだけでもあるが・・・)。村上訳は、何が起きているのかという状況がより平明に分かりやすい。本作の場合、終盤で一気に「これまでのおさらい」的な説明をされるので、より分かりやすい印象が強くなるのだと思う。他のチャンドラー作品と比べると今一つ印象が薄いと言われがちな本作、最後に一気に解決しすぎなきらいはあるが、謎解きものとして意外といけた。
本作、マードックという女性の一筋縄ではいかないキャラクターに味がある。マーロウをして「タフ」と評される彼女とマーロウのやりとりは、ぎすぎすしつつもお互いを舐めていない感じが面白い。秘書マールに言わせると「黄金の心を持つ」優しさも備えた人だと言うのが、果たして。彼女の人物像が事件そのものに関わっている。
私立探偵フィリップ・マーロウは、裕福な老女エリザベス・マードックから、高価な金貨を持ち逃げしたという息子の妻リンダを探してほしいと依頼を受ける。マードックは元々息子とリンダとの結婚には反対で、離婚させたがっていたのだ。マーロウはリンダの友人や、金貨について問い合わせをしてきた古銭商を訪ねて回るが、リンダが金貨を持ち逃げしたというマードックの主張に疑問を持ち始める。
村上春樹によるチャンドラー新訳。清水俊二訳は以前読んだが、改めて新訳を読むと、こんな話だったっのかという新鮮さ(単にストーリーを忘れているだけでもあるが・・・)。村上訳は、何が起きているのかという状況がより平明に分かりやすい。本作の場合、終盤で一気に「これまでのおさらい」的な説明をされるので、より分かりやすい印象が強くなるのだと思う。他のチャンドラー作品と比べると今一つ印象が薄いと言われがちな本作、最後に一気に解決しすぎなきらいはあるが、謎解きものとして意外といけた。
本作、マードックという女性の一筋縄ではいかないキャラクターに味がある。マーロウをして「タフ」と評される彼女とマーロウのやりとりは、ぎすぎすしつつもお互いを舐めていない感じが面白い。秘書マールに言わせると「黄金の心を持つ」優しさも備えた人だと言うのが、果たして。彼女の人物像が事件そのものに関わっている。