法月綸太郎著
2058年、小説はプログラムにより自動生成されるようになった世界。20世紀の探偵小説の研究者ユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出された。「ノックスの十戒」第5項について彼が立てた仮説が、史上初の双方向タイムトラベル成功の鍵になるというのだ。本格ミステリ作家である著者によるSF、だがやはり本格ミステリ。そもそもノックスを持ちだす時点で(知らなくても楽しめるように書いてはあるけど)本格ミステリ読者以外は食いつきにくいそう。しかし本格ミステリが好きな人は、やるなぁ!と唸らせられるのではないだろうか。SFとしてちょっと懐かしい味わいもありつつ、ミステリに関するペダントリィとパロディ精神に満ちている。表題作の「ノックス・マシン」 、その続編「論理蒸発 ノックス・マシン2」は、著者の本格ミステリに対する愛と敬意を感じさせ目がしら熱くなる。更に、小説というもの、そのものへの愛と敬意が詰まっているのだ。法月先生、実は熱い人だよな!と改めて感じる。
2058年、小説はプログラムにより自動生成されるようになった世界。20世紀の探偵小説の研究者ユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出された。「ノックスの十戒」第5項について彼が立てた仮説が、史上初の双方向タイムトラベル成功の鍵になるというのだ。本格ミステリ作家である著者によるSF、だがやはり本格ミステリ。そもそもノックスを持ちだす時点で(知らなくても楽しめるように書いてはあるけど)本格ミステリ読者以外は食いつきにくいそう。しかし本格ミステリが好きな人は、やるなぁ!と唸らせられるのではないだろうか。SFとしてちょっと懐かしい味わいもありつつ、ミステリに関するペダントリィとパロディ精神に満ちている。表題作の「ノックス・マシン」 、その続編「論理蒸発 ノックス・マシン2」は、著者の本格ミステリに対する愛と敬意を感じさせ目がしら熱くなる。更に、小説というもの、そのものへの愛と敬意が詰まっているのだ。法月先生、実は熱い人だよな!と改めて感じる。