クリスティーナ・オルソン著、ヘレンハルメ美穂訳
電車に乗っていた母親と幼い少女。途中駅で停車した際に母親が一旦下車したが、電車はそのまま発車してしまう。そして少女は姿を消した。ストックホルム市警が捜査を開始するが、手がかりは乏しく捜査は難航する。母親は元夫に暴力を振るわれており、元夫が容疑者として浮上するものの行方をくらまし決め手も欠けていた。右往左往する警察パートの間に、犯人側と思われるパートが挿入され、展開が気になり一気に読んでしまった。すごくフックがあるというわけではないが、なかなか面白いし読みやすいのかな。手がかりっぽいものはあるのにどれも決め手に欠けて逆に目くらましになってしまうというもどかしさは、実際の事件の捜査ってこんな感じなんじゃないかなと思わせるものがある。敏腕刑事部長のアレックス、野心家のペーテル、民間から警察に入り周囲から浮いているフレデリカという、メイン3人の警官の描き分けが面白い。解決への突破口となるのが、研究者気質で警察組織に馴染まないフレデリカだというところもさもありなんだが、アレックスやペーテルの視野の狭さに読者がうんざりし始めるタイミングで出てくるエピソードなので小気味いい。
電車に乗っていた母親と幼い少女。途中駅で停車した際に母親が一旦下車したが、電車はそのまま発車してしまう。そして少女は姿を消した。ストックホルム市警が捜査を開始するが、手がかりは乏しく捜査は難航する。母親は元夫に暴力を振るわれており、元夫が容疑者として浮上するものの行方をくらまし決め手も欠けていた。右往左往する警察パートの間に、犯人側と思われるパートが挿入され、展開が気になり一気に読んでしまった。すごくフックがあるというわけではないが、なかなか面白いし読みやすいのかな。手がかりっぽいものはあるのにどれも決め手に欠けて逆に目くらましになってしまうというもどかしさは、実際の事件の捜査ってこんな感じなんじゃないかなと思わせるものがある。敏腕刑事部長のアレックス、野心家のペーテル、民間から警察に入り周囲から浮いているフレデリカという、メイン3人の警官の描き分けが面白い。解決への突破口となるのが、研究者気質で警察組織に馴染まないフレデリカだというところもさもありなんだが、アレックスやペーテルの視野の狭さに読者がうんざりし始めるタイミングで出てくるエピソードなので小気味いい。