浦賀和宏著
高校生の敦は、糖尿病を患う妹・理奈が群馬県の川でイルカを見たという話を確かめる為、理奈と友人と共に現地へ向かった。しかし町の人々の中には不自然な振る舞いを見せる者がおり、何か隠し事があるのではと疑い始める。そして彼らのイルカ捜索は思わぬ方向へ。読んでいる間中、敦の妙に思い込みの強い性格もあって、この話どの方向にもっていきたいんだ?とハラハラしていたのだが、予想外にエモーショナル、かつ明後日の方向なクライマックスへと突き進む。かなり厚さのある書きおろしだが、読みやすく、かつ引きが強くて一気読みしてしまった。文庫帯には「青春恋愛ミステリ」とあるが、ちょっと違うかな・・・。すれ違いが生んだ悲劇とは言えるかもしれないが。本格ミステリとしてはかなり強引なネタで、力技でねじ伏せた感はあるのだが、少年の視野の狭さや少女の一途さが何を生んだか、という痛切さがある。
高校生の敦は、糖尿病を患う妹・理奈が群馬県の川でイルカを見たという話を確かめる為、理奈と友人と共に現地へ向かった。しかし町の人々の中には不自然な振る舞いを見せる者がおり、何か隠し事があるのではと疑い始める。そして彼らのイルカ捜索は思わぬ方向へ。読んでいる間中、敦の妙に思い込みの強い性格もあって、この話どの方向にもっていきたいんだ?とハラハラしていたのだが、予想外にエモーショナル、かつ明後日の方向なクライマックスへと突き進む。かなり厚さのある書きおろしだが、読みやすく、かつ引きが強くて一気読みしてしまった。文庫帯には「青春恋愛ミステリ」とあるが、ちょっと違うかな・・・。すれ違いが生んだ悲劇とは言えるかもしれないが。本格ミステリとしてはかなり強引なネタで、力技でねじ伏せた感はあるのだが、少年の視野の狭さや少女の一途さが何を生んだか、という痛切さがある。