
ホラー少女漫画的な雰囲気かと思っていたら、『生きてるものはいないのか』に続くまさかの終末もの。花がだんだん人の心を狂わせ、のっとっていくように見えた。響子は花のことを知りたい、自分たちはもともと植物だったのではと考えていくが、その考え自体が花によって操作されたものだったのではないだろうかと。物語の主人公は、一応大瀧と響子ということになっているが、真の主人公は花だろう。大瀧と響は恋人同士になるが、2人の間にはセクシャルなものがあまり感じられない。この2人に限らず、人間同士の関係にはあまり色っぽさがない。むしろ人と花の関係の方がエロティックに見える。
基本、雰囲気で推し進めていくような作品なので、設定を詰めていきたい人が見たらイライラするかもしれない。白を基調とした無機質な世界は悪くないが、雰囲気だけで2時間もたすのはちょっと難しいなとも思った。
生きてるものはいないのか [DVD]
昆虫と花―共生と共進化