早川良一郎著
サラリーマン生活を長年続け、50歳から執筆活動を始めた著者によるエッセイ集。本作は定年後の生活に材を得た作品を主に収録している。決してモーレツ社員タイプの人ではなかったらしく、嬉々として無職生活を堪能している様子に和む。視線は鋭いが飄々とした、時にとぼけたユーモアがあって、えらぶっていない。著者はいわゆる教養人だったのだろうが、周囲に何かを教えてやろうという姿勢は見られない。会社でも、さほど出世はせず、社会的な上昇志向はあまりない、むしろそういった価値観とは距離を置いていた人のようだ。そのスタンスが好ましい。定年後、贅沢はないもののそこそこ楽に生活できている様子は、やっぱり高度成長期の話だなという感じはしたが、著者の人となりはあまり高度成長期的ではない(笑)。
サラリーマン生活を長年続け、50歳から執筆活動を始めた著者によるエッセイ集。本作は定年後の生活に材を得た作品を主に収録している。決してモーレツ社員タイプの人ではなかったらしく、嬉々として無職生活を堪能している様子に和む。視線は鋭いが飄々とした、時にとぼけたユーモアがあって、えらぶっていない。著者はいわゆる教養人だったのだろうが、周囲に何かを教えてやろうという姿勢は見られない。会社でも、さほど出世はせず、社会的な上昇志向はあまりない、むしろそういった価値観とは距離を置いていた人のようだ。そのスタンスが好ましい。定年後、贅沢はないもののそこそこ楽に生活できている様子は、やっぱり高度成長期の話だなという感じはしたが、著者の人となりはあまり高度成長期的ではない(笑)。