ノルウェーの小さな町はクリスマスを迎えていた。妻と別居中のパウル(トロン・ファウサ。アウルヴォーグ)は、サンタに扮そうして子供に会おうとする。少年トマスはイスラム教徒の少女の気を引きたくて、つい自分もクリスマスは祝わないと言ってしまう。ホームレスのヨルダン(レイダル・ソーレンセン)は昔つきあっていたヨハンヌと再会する。カリン(ニナ・アンドレセン・ボルド)は交際相手からあることを告げられる。医者のクヌートはコソボから逃れてきたカップルの出産に立ち会う。小さな町でのクリスマスを舞台とした群像劇。監督はベント・ハーメル。
予告編だとほのぼの・ほっこりしそうな雰囲気だったが、全くほっこりとはしないし心温まるという雰囲気でもない。どちらかというと、人生の不可思議・奥深さについて静かに考えたくなる作品。そういう意味では、下手に奇跡を起こすハッピーなクリスマス映画よりも、人生に対して誠実だ。本作には様々な人達が登場するが、人生が必ずしも思ったようになるわけでもなく、ちょっといいことと、ちょっと辛いことがないまぜになっている。
登場する人たちのクリスマスの顛末は、色々とホロ苦い。中年カップルが熱烈なセックスを始めたものの、実はこの2人は・・・というオチだったり、別居した妻をあきらめられずパウルは不法侵入まがいをしてみたり。後者は、妻がびっくりするほどパウルに気付かないので突っ込みたくもなるが、彼女はもう彼のことは全然忘れている、執着ないんだなーということがわかってしまう。いつまでも気にしているのはパウルだけなのだ。
そんな苦いエピソードの中、気になる少女となんとなく良い雰囲気になれるトマス、そして若夫婦のお産に立ち会い自分も転機を迎えるクヌートの姿にはほんのりと心が温かくなる。この2つのエピソード、どちらも(ベツレヘムの)星を見上げていて、クリスマスの奇跡というならこういうものがふさわしいなと思う。
それぞれのエピソードが絡み合うというわけではないのだが、あれはこういうことだったのか!と終盤でパズルのピースがはまっていく。ヨルダンが何をしようとしていたかには、どうにもやりきれなくなる。そして、コソボから来た夫婦が、なぜ祖国を離れることになったのか、そういうことだったのか!と愕然とした。あまりにも重い。が、だからこそ彼らの決断には希望が見える。
予告編だとほのぼの・ほっこりしそうな雰囲気だったが、全くほっこりとはしないし心温まるという雰囲気でもない。どちらかというと、人生の不可思議・奥深さについて静かに考えたくなる作品。そういう意味では、下手に奇跡を起こすハッピーなクリスマス映画よりも、人生に対して誠実だ。本作には様々な人達が登場するが、人生が必ずしも思ったようになるわけでもなく、ちょっといいことと、ちょっと辛いことがないまぜになっている。
登場する人たちのクリスマスの顛末は、色々とホロ苦い。中年カップルが熱烈なセックスを始めたものの、実はこの2人は・・・というオチだったり、別居した妻をあきらめられずパウルは不法侵入まがいをしてみたり。後者は、妻がびっくりするほどパウルに気付かないので突っ込みたくもなるが、彼女はもう彼のことは全然忘れている、執着ないんだなーということがわかってしまう。いつまでも気にしているのはパウルだけなのだ。
そんな苦いエピソードの中、気になる少女となんとなく良い雰囲気になれるトマス、そして若夫婦のお産に立ち会い自分も転機を迎えるクヌートの姿にはほんのりと心が温かくなる。この2つのエピソード、どちらも(ベツレヘムの)星を見上げていて、クリスマスの奇跡というならこういうものがふさわしいなと思う。
それぞれのエピソードが絡み合うというわけではないのだが、あれはこういうことだったのか!と終盤でパズルのピースがはまっていく。ヨルダンが何をしようとしていたかには、どうにもやりきれなくなる。そして、コソボから来た夫婦が、なぜ祖国を離れることになったのか、そういうことだったのか!と愕然とした。あまりにも重い。が、だからこそ彼らの決断には希望が見える。