母親の死後、遺産を狙う義父の企みによって精神病院に入れられてしまったベイビードール(エミリー・ブラウニング)は空想の世界で自由を得る為戦う。その世界の中で彼女がいるのは古びた娼館。自由を得るには地図、火、ナイフ、鍵、そしてもう一つ、彼女にしかわからないものを手に入れる必要があるというのだが。監督はザック・スナイダー。
スナイダー監督の前作『ウォッチメン』に大興奮したのだが、本作に対しては予告編の時点であれ?と思っていた。ミニスカセーラー服美少女が日本刀を振り回してドラゴンや鎧武者と戦うなんて、ずいぶんと陳腐だなーと。いやでもこれはわかりやすくフックのありそうなところを予告編用に抜粋したのかも・・・と、とりあえず本編見てみた。ちなみに吹き替え版で見たのだが、違和感は感じなかった。アイドル的に人気のある声優を起用しているとかでとやかく言う映画ファンもいるようだが、上手な吹き替えだったと思う。
本作、ベイビードールが入れられた精神病院と彼女の想像世界という2層から成っているのかと思ったら、想像内でダンスを披露する時、さらに彼女の精神世界に入る(ダンスをする=想像内ではバトル)という3重構造なのだ。ただこの構造が、あらかじめ見せたいシーンを組み込むことを優先して作られた設定に見えた。2層目と3層目のつながりにあまり必然性がないのだ(ダンスを披露するなら、例えばエンドロールのように圧倒的にゴージャスなショーを想像、みたいな方が映えたんじゃないかと)。監督の好きなものを全部詰め込む為に無理やりこういうたてつけにしたんじゃないかという気がしてしまう。
なにより、2層目(娼館)から3層目(戦闘少女的ファンタジー)への移行は、おそらく男性から向けられる欲望に対抗する為のものなのだろうが、3層目での彼女達の姿は、まんま男性が欲望するコスプレ女性の姿のようだ。まあ、それを言ったら2層目の娼館ももろに男性の欲望の投影ともいえるのだが・・・。例えば『パンズ・ラビリンス』のような、過酷な現実と対抗する為のファンタジーとしての力をベイビードールの想像からは感じられない。現実に対するカウンターとしてはあまりに陳腐。ベイビードールが想像したもの、ではなく監督が妄想したものであるようにしか見えない。
タランティーノのように自分が好きなものだけ詰め込んで傑作を作ってしまう監督もいるが、スナイダー監督にはそこまでの力はないように思った。止め絵としてはかっこいい部分もあるが、あまり映画的な素養のある人じゃないんじゃないか・・・という気がしてならない。『ウォッチメン』は原作がすごかったってことか。
なお本作、日本では既に定番な「戦闘美少女」とはちょっと違うように思う。どちらかというとイメクラ感覚。若い女の子にコスプレさせて遊んでいる感じ。
スナイダー監督の前作『ウォッチメン』に大興奮したのだが、本作に対しては予告編の時点であれ?と思っていた。ミニスカセーラー服美少女が日本刀を振り回してドラゴンや鎧武者と戦うなんて、ずいぶんと陳腐だなーと。いやでもこれはわかりやすくフックのありそうなところを予告編用に抜粋したのかも・・・と、とりあえず本編見てみた。ちなみに吹き替え版で見たのだが、違和感は感じなかった。アイドル的に人気のある声優を起用しているとかでとやかく言う映画ファンもいるようだが、上手な吹き替えだったと思う。
本作、ベイビードールが入れられた精神病院と彼女の想像世界という2層から成っているのかと思ったら、想像内でダンスを披露する時、さらに彼女の精神世界に入る(ダンスをする=想像内ではバトル)という3重構造なのだ。ただこの構造が、あらかじめ見せたいシーンを組み込むことを優先して作られた設定に見えた。2層目と3層目のつながりにあまり必然性がないのだ(ダンスを披露するなら、例えばエンドロールのように圧倒的にゴージャスなショーを想像、みたいな方が映えたんじゃないかと)。監督の好きなものを全部詰め込む為に無理やりこういうたてつけにしたんじゃないかという気がしてしまう。
なにより、2層目(娼館)から3層目(戦闘少女的ファンタジー)への移行は、おそらく男性から向けられる欲望に対抗する為のものなのだろうが、3層目での彼女達の姿は、まんま男性が欲望するコスプレ女性の姿のようだ。まあ、それを言ったら2層目の娼館ももろに男性の欲望の投影ともいえるのだが・・・。例えば『パンズ・ラビリンス』のような、過酷な現実と対抗する為のファンタジーとしての力をベイビードールの想像からは感じられない。現実に対するカウンターとしてはあまりに陳腐。ベイビードールが想像したもの、ではなく監督が妄想したものであるようにしか見えない。
タランティーノのように自分が好きなものだけ詰め込んで傑作を作ってしまう監督もいるが、スナイダー監督にはそこまでの力はないように思った。止め絵としてはかっこいい部分もあるが、あまり映画的な素養のある人じゃないんじゃないか・・・という気がしてならない。『ウォッチメン』は原作がすごかったってことか。
なお本作、日本では既に定番な「戦闘美少女」とはちょっと違うように思う。どちらかというとイメクラ感覚。若い女の子にコスプレさせて遊んでいる感じ。