
私は「踊る~」のTVシリーズと劇場版1作目(ちゃんと劇場に行った)は楽しく見たが、以降のスピンアウト作品は見ていない(先日TVで劇場版2作目を見たがあんまり・・・)。踊る~に関しては、TVシリーズはそこそこ好きだったがコアなファンではないというレベル。で、劇場版3ですが、世間の評判ほどひどいとは思わないし、2時間以上をとりあえず飽きずには見ることができた。が、この映画を今見たいと思っているのは誰なんだろう、どのへんに向けて作っているんだろうと不思議にも思った。今「踊る~」でないとならない理由が思い浮かばない。
興行成績は良好でヒットしているようなので、人気があるシリーズなのは確かなのだが、プロジェクトとしてあまりにも広がりすぎていて、この作品本来の良さがなくなってきているような気がする。私が「踊る~」で好きだった部分は、所轄の警察の日常的な業務の部分、それまでの刑事ドラマではあまりなかった、生活感溢れる部分だったのだが、劇場版、スペシャル版とリリースされるにつれ、事件の規模は大きくなり、犯罪者はクレイジーになっていく。更に、新キャラが毎回増えて、次の作品では旧キャラに加えて前作のキャラも出演して、どんどんレギュラーが増えていく。そして毎回お約束の小ネタを随所にちりばめる。作り手のサービス精神旺盛なのはわかるが、映画としてはもう飽和状態。これを毎回やらなくてはならないというのは、監督筆頭、スタッフにとっても出演者にとっても過酷ではないだろうか。もういいよそこまでやらなくても・・・。
今回一番面白いと思ったのは、実は冒頭の引越しシーン。どうせなら引越しネタメインで2時間見てみたかった。ウキウキ引越しの指揮をとっている方が青島らしいと思うんだけど(笑)。彼は別に、スーパー刑事でもヒーローでもなくていいと思う。だんだん超人みたいになってきちゃってちょっと切ないです。