デイヴィス・グラブの原作小説は以前読んだことあったのだが、妙に怖かった。その小説の解説に、過去に映画化されたことがあるということが書いてあったので、一度見たいと思っていたのだ。今回「ケイブルホーグ特集」(シネマヴェーラにて)で特別上映されると聞いたので、さっそく行ってきた。監督はチャールズ・ロートン。1955年の作品となる。
狂信的な宣教師(ロバート・ミッチャム)が、死刑になった父親から大金を託された幼い兄妹、ジョンとパールを付けねらう。デイヴィス・グラブの原作小説は以前読んだことあったのだが、妙に怖かった。その小説の解説に、過去に映画化されたことがあるということが書いてあったので、一度見たいと思っていたのだ。今回「ケイブルホーク特集」(シネマヴェーラにて)で特別上映されると聞いたので、さっそく行ってきた。監督はチャールズ・ロートン。
昔の映画と今の映画は、当然といえば当然なんだがテンポが違うなぁとしみじみと思った。昔の映画はカット割がこまかいのかしら(技術的にカメラを動かしにくかったからかもしれないけど)。ある状態から次の状態に移るまで、妙に時間がかかる。今の映画だったらもう1カット少ないんじゃないかなとか、全部1ショットで撮るんじゃないかなとか、テンポの違いがまだるっこしくなってしまった。1つのシークエンスの中で1つの現象しか起きていないことが多いし、今の映画を見慣れていると違和感がある。やはり50年以上前の作品てのは辛いか・・・。逆に、映画の文法が進化したんだなぁということは実感できるが。
ところで本作の中では繰り返し「女はおろかだ」ということが言われる。ハリーは、まあ狂信的なキリスト教信者(と本人は思い込んでいるが、敬虔な信者は連続未亡人殺人事件とか起こさないよな)だからそういうことも言うだろうなーとは思うが、兄妹を助けてくれる気丈な老女クーバー(リリアン・ギッシュ)にまで言われるとちょっとひっかかる。そういう時代だったのね・・・。でも本作に出てくる女性が(老女以外)全員非常にイライラさせる人なのでうっかり納得しそうに。最大のイライラ原因はパールだ。ジョンの気も知らずにハリーに懐き、ジョンの足を引っ張るトラブルメーカーとなる。あーイライラする!ジョンにとって周囲の人がまったく充て当てにできないというかわいそうな状況なのだ。
影を強調した映像が、ハリーの不気味さを引き立てていた。しかし最後はハリーよりも、ことの結末に盛り上がる一般市民の方が狂気じみて見えるという、ちょっとシニカルな部分も。また、ボートが川を下るシーンや水中死体など、局地的に「美しく撮るぞ!」という意気込みが見えるところが面白い。
狂信的な宣教師(ロバート・ミッチャム)が、死刑になった父親から大金を託された幼い兄妹、ジョンとパールを付けねらう。デイヴィス・グラブの原作小説は以前読んだことあったのだが、妙に怖かった。その小説の解説に、過去に映画化されたことがあるということが書いてあったので、一度見たいと思っていたのだ。今回「ケイブルホーク特集」(シネマヴェーラにて)で特別上映されると聞いたので、さっそく行ってきた。監督はチャールズ・ロートン。
昔の映画と今の映画は、当然といえば当然なんだがテンポが違うなぁとしみじみと思った。昔の映画はカット割がこまかいのかしら(技術的にカメラを動かしにくかったからかもしれないけど)。ある状態から次の状態に移るまで、妙に時間がかかる。今の映画だったらもう1カット少ないんじゃないかなとか、全部1ショットで撮るんじゃないかなとか、テンポの違いがまだるっこしくなってしまった。1つのシークエンスの中で1つの現象しか起きていないことが多いし、今の映画を見慣れていると違和感がある。やはり50年以上前の作品てのは辛いか・・・。逆に、映画の文法が進化したんだなぁということは実感できるが。
ところで本作の中では繰り返し「女はおろかだ」ということが言われる。ハリーは、まあ狂信的なキリスト教信者(と本人は思い込んでいるが、敬虔な信者は連続未亡人殺人事件とか起こさないよな)だからそういうことも言うだろうなーとは思うが、兄妹を助けてくれる気丈な老女クーバー(リリアン・ギッシュ)にまで言われるとちょっとひっかかる。そういう時代だったのね・・・。でも本作に出てくる女性が(老女以外)全員非常にイライラさせる人なのでうっかり納得しそうに。最大のイライラ原因はパールだ。ジョンの気も知らずにハリーに懐き、ジョンの足を引っ張るトラブルメーカーとなる。あーイライラする!ジョンにとって周囲の人がまったく充て当てにできないというかわいそうな状況なのだ。
影を強調した映像が、ハリーの不気味さを引き立てていた。しかし最後はハリーよりも、ことの結末に盛り上がる一般市民の方が狂気じみて見えるという、ちょっとシニカルな部分も。また、ボートが川を下るシーンや水中死体など、局地的に「美しく撮るぞ!」という意気込みが見えるところが面白い。