アメリカに実在したアウトロー、ジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)。南北戦争中に南軍のゲリラとして活躍し、戦後はギャングとして強盗や殺人でその名を轟かせていた。彼に心酔する青年ロバート(ケイシー・アフレック)は兄のつてを頼ってジェシー一味に加わり、ジェシーに近づいていく。
予告編からは、ロバートがジェシーに成り代わろうとする話だという印象を受けたが、実際にはそうでもない。確かにロバートはジェシーに熱烈な憧れを抱いているのだが、彼になりかわりたいというより、彼のような有名人になりたいという気持ちの方が強かったように見えた。でなければ、ジェシーの死後に彼の最後を芝居にして上演したりはしないのではないか(ロバートは暗殺者である自分役、ロバートの兄がジェシー役だ。最初はジェシーに似ても似つかぬ兄が、だんだんジェシーに近づいていくというのは皮肉だ)。
あこがれる対象がジェシーくらいしかいなかったと言ってもいいかもしれない。ジェシーは確かに「犯罪者には見えない顔」ではあるが、やっていることは殺しと強盗なわけで、褒められたものではない。しかもロバートが出会った頃のジェシーは仲間が裏切るのではないかという猜疑心に駆られ、神経質で激昂しやすく扱いにくいことこの上ない。なまじ鋭いからよけいに周囲がピリピリしているのだ。よりにもよって何故こんな男にあこがれるのか。下手したら自分の身が危ない。そういう危うさを帳消しにするようなカリスマ性があったということなのかもしれないが、ジェシーを演じるブラッド・ピットにはそれほどのものは感じられないので、疑問ばかりが膨らんだ。
ところで、犯罪者であるジェシーがアイドル的な扱いをされ、彼を後ろから撃ったということでロバートが卑怯者扱いされて散々たたかれるというのも不思議ではあった。南部の人はよっぽど北部に対する鬱憤が溜まっていたのだろうか。
映画の流れはいたってゆっくりなのだが、ジェシーとロバートの抜き差しならない関係は緊張感あふれまくりでスリリングだ。カナダでロケしたそうで、風景も美しい。半分は風景映画と言ってもいいかも。
予告編からは、ロバートがジェシーに成り代わろうとする話だという印象を受けたが、実際にはそうでもない。確かにロバートはジェシーに熱烈な憧れを抱いているのだが、彼になりかわりたいというより、彼のような有名人になりたいという気持ちの方が強かったように見えた。でなければ、ジェシーの死後に彼の最後を芝居にして上演したりはしないのではないか(ロバートは暗殺者である自分役、ロバートの兄がジェシー役だ。最初はジェシーに似ても似つかぬ兄が、だんだんジェシーに近づいていくというのは皮肉だ)。
あこがれる対象がジェシーくらいしかいなかったと言ってもいいかもしれない。ジェシーは確かに「犯罪者には見えない顔」ではあるが、やっていることは殺しと強盗なわけで、褒められたものではない。しかもロバートが出会った頃のジェシーは仲間が裏切るのではないかという猜疑心に駆られ、神経質で激昂しやすく扱いにくいことこの上ない。なまじ鋭いからよけいに周囲がピリピリしているのだ。よりにもよって何故こんな男にあこがれるのか。下手したら自分の身が危ない。そういう危うさを帳消しにするようなカリスマ性があったということなのかもしれないが、ジェシーを演じるブラッド・ピットにはそれほどのものは感じられないので、疑問ばかりが膨らんだ。
ところで、犯罪者であるジェシーがアイドル的な扱いをされ、彼を後ろから撃ったということでロバートが卑怯者扱いされて散々たたかれるというのも不思議ではあった。南部の人はよっぽど北部に対する鬱憤が溜まっていたのだろうか。
映画の流れはいたってゆっくりなのだが、ジェシーとロバートの抜き差しならない関係は緊張感あふれまくりでスリリングだ。カナダでロケしたそうで、風景も美しい。半分は風景映画と言ってもいいかも。