リンダ・ハワード著、加藤洋子訳
 看護師のカレンの元に、長年絶縁状態で行方も知らなかった父親が他殺死体で発見されたと連絡が入った。カレンは殺害現場のニューオリンズへ向かう。父親はベトナム帰還兵だったが、復員後は家族と距離を取るようになり、やがて家を出てしまったのだ。父親が殺害された事件を担当する刑事マークは同様する彼女を案じ、惹かれあうように。しかしカレンが以前住んでいた家で家事が起き、更に彼女のアパートに何者かが侵入するという事件が起きる。
 いわゆる「ロマサス」=ロマンス・サスペンスと呼ばれるジャンルの作品だが、サスペンス部分がしっかりしているのでロマンスに疎い私でも楽しめた。読者にとってはカレンがなぜ狙われるのかというのはわかっているのだが、その「なぜ」の背後にあるものは小出しにされていくので(最後一気に開示しすぎて典型的なイキった犯人のパフォーマンスになっているけど…)、先が気になってぐいぐい引っ張られる。カレンの父親の過去に何があったのか、彼はなぜ家族から離れていったのかという謎が背後にある。また、重要人物ぽく登場するけどそれほど活躍しない人物もいるので、これは別途シリーズ化されているのか?等という含みも。
 そして肝心のロマンスだが、マークの良さ、セクシーさは私にはいまひとつぴんとこず。カレンにとってすごく魅力的なんだということはわかるのだが…。第一印象が悪いけど一緒にいるうち惹かれていくパターンのロマンスってよくあるけど、私はそれがあんまり好きじゃないんだな(笑)。最初の印象ってずっと尾を引く気がするんだけど…。なお、セックスの時に避妊しているかどうかちゃんと確認する所、ほっとしますね。


カムフラージュ (MIRA文庫)
リンダ ハワード
ハーパーコリンズ・ジャパン
2019-04-12