EUフィルムデーズ2020にて配信で鑑賞。リトル・マンは森の中に家を作って、一人暮らしに満足していた。しかし自分の人生に欠けたものがあるという夢に悩まされ、眠れなくなってしまう。ある部屋を訪問しろと夢で告げられた彼は旅に出る。監督はラデク・ベラン。原作は2008年にチェコで出版された絵本。
 人形を使った実写映画。と言ってもアニメーション(ストップモーション)ではなく、操り人形を使った「人形劇」であるというところがユニーク。まさにチェコのお家芸!人形の動きにしろセットにしろ小道具にしろ緻密でやたらと力が入っており、なぜこれをわざわざ人形劇でやろうとした…?(コマ撮りができるアニメーションならまだわかるんだよね…)とその情熱に心打たれるやらあきれるやら。人形劇だからオールセットなのかと思ったら、ちゃんとロケをやっている(グラスの水や湖等でちゃんと「水」を使っているあたりが地味にすごい)という手間暇のかかり方。人形の造形は決して可愛らしいものではなく、妙にリアル志向だったり時にグロテスクだったりする。人間とも動物とも虫ともつかない不思議な造形のキャラクターが次々と登場する。原作の絵本がどういうビジュアルなのか気になるが、ちょっとグロテスクでとらえどころのない部分が魅力になっている。
 美術面には非常に拘りを感じるが、ストーリー展開や全体の構成はかなり大雑把。リトル・マンを引き回すだけ引き回しておいて、最後はあっさり収束させてしまう。そこで諸々説明してくれるのなら、最初からそこに行けばいいのに…と、今までの経緯は何だったんだろうと唖然とした。緻密な部分と大雑把な部分の落差が激しすぎる。おおらかで作品の自由度が高いとも言えるかもしれないけど…。


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コロムビアミュージックエンタテインメント
2009-03-18