前田健太郎著
 日本の政治家は先進国の中では異例といっていいほど男性が大多数で、男性に政治権力が集中していると言える。女性が政治に参加しにくい原因はどこにあるのか。女性が参加していない「民主主義」はそもそも民主主義と呼べるのか。ジェンダー視点から日本の政治を読み解く。
 何しろ日本はジェンダーギャップ121位(2019年)なので、男女ともに(まあ主に男性にでしょうが)必読な1冊では。女性政治家が少ない状況について、女性には向いていないからということが往々にして言われるが、資質の問題ではない。社会が女性に要求してくるもの、社会的な通念が何重にも妨害してくるのだ。そしてその妨害は、男性からは見えないのだ。この男性からは見えないということこそ、男性主体で社会の仕組みが作られているということだ。それは適切な民主主義とは言えないだろう。世の中の片側からだけの見方なのだから。クォーター制のように半強制的に女性を増やしていくしかないのか(男性から見ると不公平に見えるのかもしれないが、そういうことではない)。
 本著では各国の政治における女性参画の経緯や民主主義の定義から日本の政治の問題を紐解いていく。しかし日本の場合、政治以前に慣習的な性的役割観が今だ根強く、これを払しょくしていかないとならないかと気が遠くなる…。切実に辛くなってきちゃうよ…。

女性のいない民主主義 (岩波新書)
健太郎, 前田
岩波書店
2019-09-21