阿佐ヶ谷姉妹著
 高い歌唱力を活かした歌ネタを誇り、実の姉妹ではないのに何だか似ている風貌の女芸人コンビ・阿佐ヶ谷姉妹が、2人の同居生活を交代で綴るエッセイ集。
 コンビ名通り阿佐ヶ谷のアパートでの地味で穏やか、時に緊張感走る生活が描かれるが、この時代に23区内でこんなご近所づきあいあります?!という人情味。お惣菜のおすそ分けってこんなにもらえるものなんだ…。中華料理店の店主とのエピソードや整体院でのニアミスなど、自宅回りでのネタがしみじみと良い。また同生活の中でのちょっとした楽しみや失敗、食い違い等、ちょっとした部分を拾い上げていく。華々しくなくても生活は面白いんだなと思わせるのだ。
 読んでいるうちにみほさんとえりこさんの個性の違いが段々わかってくる。私、みほさんサイドの人間だわ…。2人は仲はいいが、常に一緒にいたいかというとそういうわけでもなく、一緒にいたいときもその度合いはそれぞれ違う。それを踏まえたうえでのパートナーシップと友愛だということにぐっときた。これぞシスターフッド。そして単純にエッセイとして上手い!こんなに文才のある方たちだったとは。過剰に読者を笑わせようとかサービスしようとかいう欲があまり感じられず、品があるユーモラスさ。