2020年、東京オリンピック終了後、急速に景気が悪化し階層化が進んだ日本。弱者は踏みつぶされていく世の中で、カイジ(藤原竜也)は「バベルの塔」なるイベントへの参加を持ち掛けられる。主催者は富豪の老人・東郷(伊武雅刀)。彼はカイジにある提案をする。監督は伊藤東弥。脚本で原作者の福本伸行が参加している。
 本作がやろうとしているのはもはや映画ではなく「カイジ」というコンテンツなんだなと実感した。ちゃんと「ざわ…ざわ…」音の入った配給会社ロゴ、怒涛の説明台詞、正直しょぼいセット、荒唐無稽だが力業で理屈が通っているかのように納得させられるゲームの数々、そしてとにかく声を張る藤原竜也。映画としてはあまり褒められたものではない演出多々なのだが、本作の場合はそれでいいのだろう。目指しているところがすごくはっきりしている作品で、いっそ潔い。これはこれで正解なのだと思う。一緒に「キンッキンに冷えてやがる…!」とビールをあおれる応援上映には最適。色々茶々入れつつ誰かと一緒に楽しむ作品だろう。それも映画の一つの形だよな。
 ただ、俳優の役割については、なんぼなんでも藤原竜也に頼りすぎだろうとは思った。テンプレ演技でも場を持たせてしまう藤原がえらいのだが、他の俳優はそこまで場が持たない。この演技2時間見続けるのはだいぶ辛いぞ…という人も。そういう所を見る作品ではないということなんだけど。
 なお、本作は東京オリンピックの経済効果に全く期待していない(笑)!働いて豊かになるという期待がほぼ消えた世界設定で、原作スタートから現在に至るまでに現実世界がこの領域にどんどん近づいてきた気がする。正直笑えない。