ロバート・ベイリー著、吉野弘人訳
 幼いころに父親をクー・クラックス・クランに殺されたボーは、彼らに制裁を加えることを目標に、町で唯一の黒人弁護士として故郷のテネシー州ブラスキに留まり続けてきた。しかし父親の45年後の命日、報復殺人の容疑で逮捕されてしまう。ボーは恩師である元ロースクール教授のトムとその元教え子リックを頼る。
 『ザ・プロフェッサー』に続くトーマス・ジャクソン・マクマートリーシリーズ第2弾。前作の展開を踏まえているので、本作を先に読むと一作目がどういう展開だったのか多少わかってしまうので注意。法廷ジェットコースターサスペンスだった前作と比べると、本作では真犯人は誰なのか、なぜ事件が起きたのかという謎が中心にある。そして前作以上にアメリカ南部のが舞台であることを意識させる。何しろプロローグでKKK登場、その後もずっと影を落とす。この土地にボーが留まり続けることがどういうことなのか、そうせざるをえない思いの強さと合わせて染みてくる。前作でもトムへの思慕の深さが垣間見えたボーだが、本作を読むと彼がなぜ「あなたしかいないんです」と言うのかわかってくる。そこまで言われてはトムも奔走せざるを得ない。
 トムが法曹界、またフットボール界での功績により尊敬されている様、OBの絆が前作では色濃く、そういった文化になじみがない読者としては違和感・若干の気持ち悪さがあった。しかし本作で登場する検事ヘレンは、法曹界での功績はともかく、トムのフットボール界における功績や知名度には全く敬意を示さない。外の世界の人からしたらそんなものだという距離感が生まれている。前作でちょっと鼻についた部分が是正sれているように思う。また、小説の構成も前作よりすっきりと読みやすくなっている(リーダビリティは相当上がっている)。難点をちゃんと直してくる作家なのかな。だとすると次作はもっと面白いはず。

黒と白のはざま (小学館文庫 ヘ 2-2)
ロバート・ベイリー
小学館
2020-01-07


ザ・プロフェッサー (小学館文庫)
ロバート ベイリー
小学館
2019-03-06