殺し屋たちの聖域、コンチネンタルホテルでの不殺の掟を破った殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。裏社会を束ねる組織は彼の抹殺命令と1400ドルの懸賞金を告げる。町中の殺し屋たちから追われるジョンは、モロッコへと渡り、かつて“血の誓印”を交わしたソフィア(ハル・ベリー)に協力を仰ぐ。監督はチャド・スタエルスキ。
 アクションシーンの一つ一つ、特に前半のシティから脱出するまでの一連のアクションシークエンス(図書館とか!)がユニークかつ見やすい。目新しさがありつつ、何がどうなっているのか目で追いやすいというアクション設計がとても楽しかった。速さや華やかさだけではなく、見ていて「わかる」ようにアクションを組み立てるってやっぱり大事なんだなと実感した。見ていて満足感が高い。キアヌのアクションは素晴らしいが、必ずしも「速い」わけではなく、もったりとしたところもあるのだが、それが彼の持ち味だし本作には合っている。ジョン・ウィックって意外とボロボロになるし2作目でヘロヘロになった状態のまま、今回はあまり回復していない(笑)。無敵の殺し屋みたいに周囲からは見られているが、そうでもなさそうなのだ。
 ジョンが殺し屋界のアイドルらしい事情が作中垣間見えておかしい。「ニンジャ」たちが超クールでめちゃめちゃ強いのだが、ボスがまさかそんなキャラだったとは!ソファーのくだりには笑ってしまった。そりゃあ推しと急接近するまたとないチャンス、夢のイベントではあるけど…。烈火勢に絡まれるジョンがちょっと(どころではなく)迷惑そうなのも笑ってしまう。
 なお「組織」の支配力が明らかになるのだが、殺し屋の世界がかなり窮屈そうな絶対君主制的なもので、ちょっと冷めてしまった。フリーランスがしのぎを削る、その中でホテルだけが中立地帯で、何かに統制されているわけじゃないから面白い世界なんじゃなかったのか…。