伊坂幸太郎著
 「出会い」って何なんだろうと考える会社員、妻に愛想をつかされたその先輩、電話だけでやりとりする男女、元いじめっ子への復讐を企てる女性。ごく普通の、様々な人たちの愛がある地点で交差する連作短編集。
 あの時のあれはこの人か!こことここがこうつながるのか!という著者の得意技が繰り広げられる。ちょっと仕掛けがやりすぎな感じもしてくどいといえばくどいのだが、そこが楽しくもある。予想外に直球かつかわいさのあるラブストーリー集。妻に出ていかれた男性の話が個人的には一番好きかもしれない。あーこういうものかもしれないなーというあきらめ感があって(笑)。
 ただ、登場人物の1人である織田一真の言動がどうにも受け付けなかった。特に最初に収録されている「アイネクライネ」で顕著なのだが、言動がモラハラぎりぎりだと思うんだよな…これを愛嬌とか可愛げとしてとらえているっぽい筆致には違和感がある。DVDの散らかし方とか妻が財布を落とした時のリアクションとか、私が妻ならキレてる。
 なお本作、斉藤和義小説でもある。本作映画化されたそうだが、映画の中ではちゃんと曲を使っているのかな?