津原泰美著
 4人の引きこもりの元に、「人間創りに参加してほしい。不気味の谷を越えたい」という誘いが舞い込む。誘ったのはヒキコモリ支援センター代表のカウンセラーJJ。パセリ、セージ、ローズマリー、タイムという、年齢性別さまざまな4人の引きこもりを連携させてプロジェクトを動かそうというのだ。戸惑いつつ外界と関わろうとする4人だったが。
 4人プラスJJの間にははっきりした友情や愛情があるわけではない。ただ、ちょっとずつ距離感は縮まり、信頼感も芽生えていく。そのゆっくりさというか、保留付きの信頼のようなものが結構リアルだと思う。とはいえ、プロジェクト自体にはそんなに面白みを感じなかった。私は文庫化されたものを読んだのだが、文庫化までの経年で新鮮度が薄れてしまったかな…。また、4人が引きこもりである意味もさほど感じない。ただ、それでよかったと思う。ひきこもりだから何かできた、特別な能力があった、あるいは極端に人として欠陥があったとかではなく、「たまたま」なるのがひきこもりだと思うので。



11 eleven (河出文庫)
津原 泰水
河出書房新社
2014-04-08