静かな住宅地。老夫婦のインガ(エッダ・ビヨルグヴィンズドッテル)とバルドウィン(シグルズール・シーグルヨンソン)が隣家の中年夫婦エイビョルグ(セルマ・ビヨルンズドッテル)とコンラウズ(ソウルステイン・バックマン)にクレームをつけられた。庭木がポーチに影を落とすので切ってほしいというのだ。これを皮切りに2家の関係は悪化。身の回りで起こる災難は全て相手の嫌がらせに見えてくる。一方、インガ夫婦の息子アトリ(ステインソウル・フロアル・ステインソウルソン)は妻アグネス(ラウラ・ヨハナ・ヨンズドッテル)との関係が破綻しそうになり、実家に転がりこんできた。監督はハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと言うかなんというか・・・。相手のやることなすこと気に食わない!というご近所付き合いの闇が広がっていく様をブラックユーモアで描いている。アイスランドの映画のユーモアってちょっと独特というか、人間の可能性にあまり期待していない感じがする。かなりシニカルだ。
2つの家庭がぶつかりあっていくが、双方の憎しみの度合いは同等のものではない。インガは少々被害妄想に走っているように見える。彼女の憎しみは大分理不尽だ。エイビョルグの妊娠を知った時の一言には、えっそっちに反応する?!そんなこと言う?!というもの。そしてコンラウズは妻の異変に気づいているが、肝心な所で逃げる。インガの変調は長男の死がきっかけらしいということが徐々にわかってくるものの、そもそも愛情のあり方にちょっと問題のある人なのでは。夫婦共にその問題、そして長男の死とちゃんと向き合ってこなかったのではと思えてくる。アトリの妻子に対する態度もかなり問題あるが、当人は自覚していない。この一家「そういう所だぞ」という部分が多すぎるのだ。隣家とのもめごとにしろ妻から愛想尽かされることにしろ、今に始まったことではなさそう。
エイビョルグとコンラウズは彼らに巻き込まれてしまったように見えてくる。2人の言動は確かに無神経だし傲慢なところもあるのだが、そこまで病的な印象ではない。何の因果で・・・。不条理劇ホラーのような作品だった。

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