アメリカの捜査官ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)は、因縁浅からぬイギリスの犯罪者デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)と無理やりコンビを組まされ、ある指令を受ける。政府の研究組織から盗まれた新種のウイルスを奪還しろというのだ。ウイルスを盗んだ容疑者はイギリスのエージェントでショウの実の妹であるハッティ(バネッサ・カービー)。しかしそれはウイルスを入手しようとするテロ組織が仕組んだ罠だった。ホブス&ショウは組織が擁する強化人間ブリクストン(イドリス・エルバ)と対決する。監督はデビッド・リーチ。
 私はワイルド・スピードシリーズは好きだし、このシリーズに精緻なシナリオや細やかなドラマを求める気は毛頭ない。が、本作はそれにしてもちょっと雑すぎないか。シリーズのスピンオフ的な立ち位置ではあるが、過去作でのホブス一派とショウの因縁が(仲間を殺されているわけなのに)あるはずのなのに反目は口だけという感じで、双方深く内省しているわけではない。また、ホブスとパートナーが都合よく別居しており、これまた都合よくハッティとロマンス的雰囲気になるのもいただけない。無理やりお約束展開を持ちこもうとしているように見える。
 何より、本作で描かれる「ファミリーの絆」は、これまでのシリーズで描かれたものよりも後退し、保守的なものになっているように思った。そもそも家族という概念が保守的なんだと言えばそれまでなのだが、これまでのシリーズでは血縁による家族だけでなく、共に生きる仲間を「ファミリー」としていた。しかし本作では血縁による家族こそが帰るべき場所、という方向になってしまった。ショウのご家庭の事情は前作で既に明らかになっており、これはこれで微笑ましく楽しい(お母様最高だしな)。しかしホブスの家族はそこか?!これまでファミリーファミリー言ってたのは何なの?!と裏切られた気持ちになってしまった。彼の実家の事情がいきなり明らかになるのも苦しい展開だった。今までそんな描写あったっけ・・・?
 ホブスとショウの喧嘩するほど仲がいい、理想のケンカップルみたいな関係は確かに楽しいし可愛いのだが、あまりにテンプレすぎてちょっと気持ちが乗って行かなかった。それぞれのキャラクターは好きだし、2人の対称的なライフスタイルを画面分割で見せていく序盤もいい(かっこいいかというと微妙だが)んだけど。ただ、ステイサムのアクション演出はかなりいいシーンがあった。敵アジトでの密室1対複数名はユーモラスな演出もされており楽しかった。ステイサム、本当に体が動く人なんだな・・・。


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