かつては荒くれ者だったが、今は妻と穏やかに暮らしているドンチョル(マ・ドンソク)。しかし車の接触事故がきっかけでヤクザのギテ(キム・ソンオ)に目をつけられ、妻ジス(ソン・ジヒョ)を誘拐されてしまう。ドンチョルは妻を助けるために奔走するが。監督はキム・ミンホ。
 マ・ドンソクの強面だけどかわいらしいキャラクターが全面に活かされている好作。アクションシーンは多いものの、それほど凝った組み立てではない。とにかくパワフル、力押しで、マ・ドンソクにはこういうのが似合うんだろうなと納得した。ドンソクが如何せんどう見ても強いので、あまりシリアスにならないのだ。予告編でも使われている壁をぶち破るシーンなど、パワフルすぎてちょっと笑ってしまう。お前らよりによってなぜそいつに手を出した!見た目からしてやばいのに!と悪役たちに突っ込みたくなる。
 本作、ドンチョルの強さ、人の良さは王道、定番的でそんなに新鮮味があるわけではない。一方、悪役のギテも非常に分かりやすく悪役なのだが、行動が損得勘定とちょっと乖離しており(よく考えるとわざわざ家に押し入って誘拐した上に金をちらつかせて・・・というのはコストもリスクも高すぎて割に合わない)、人の善意や正義感を踏みにじることに喜びを感じるという方向の「悪」。遊びの一環としての「悪」なのだ。このキャラクターに、キム・ソンオの演技がとてもはまっており、印象深い悪役になった。人間の感情の一部が抜け落ちている感じ、自分内の理屈が独特すぎてお近づきになりにくい感じがよく出ていた。序盤の、風呂場での一幕も、妙なおかしみが出ている所が逆に怖さを強めている。

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