1000年で48人の使者を転生させた冥界の使者カンニム(ハ・ジョンウ)、ヘウォンメク(チュ・ジフン)、ドクチュン(キム・ヒャンギ)。あと1人転生させれば自分達もまた転生できある。転生の可能性がある最後の貴人はジャホンの弟スホン(キム・ドンウク)だが、彼は一度怨霊と化しており本来なら裁判を受けるまでもなく地獄行き。閻魔大王は現世からソンジュ神(マ・ドンソク)を連れ戻せば裁判を行うと条件を出す。監督はキム・ヨンファ。
 第一章では、地獄めぐりアトラクションであると同時に、ジャホンとスホンとその母に一体何があったのかという家族のドラマが盛り込まれていた。第二章ではアトラクションぽさはぐっと後退(とはいえスホンが怪魚の餌にされる、それ必要ですか?と言いたくなる珍妙な件はあるんだけど・・・)し、使者たちの前世の因縁が前面に出てくる。サブタイトルの通り、正に因と縁が盛りに盛られている。あの人とこの人については予想していたけど、最後の最後まであんな人まで絡んでくるの?!盛り過ぎじゃない!?ともうおなかいっぱい。一方で現在のソンジュ神と彼が守護する老人、その孫とのホームドラマ的な、コミカル人情話が展開していく。第一章もそうだったけど、とにかく振れ幅が大きくて楽しいけどちょっと疲れた。
 使者たちの前世をしるソンジュ神は、「記憶を奪うなんて残酷だ」と漏らす(使者たちに前世の記憶はない)。この「残酷」というのが、誰にとってのものなのか、一体誰の為の裁判なのかちょっとミスリードさせている部分もあり、ミステリ的な面白さ、そして痛切さがあった。確かにこの状況は、ある人にとってすごく辛い。前世の様子がわかってから第一章、第二章を振り返ると切なさ倍増だ。一章二章通して、誰が誰に対して思う所があるのかということを、重層的に見せていく構成になっている。
 悪人はいない、いた場所が悪かったという(ような意味の)ある登場人物の言葉が印象に残った。使者たちも、ジャホンもスホンも、全く清廉潔白というわけではなく、登場人物のだれもが何かしら重荷を背負っているし、かなり非道なことをやってしまった者もいる。それでも根っからの悪人はいない、シチュエーションが違えば善性を発揮できるとするところに強いヒューマニズムを感じた。

悪いやつら [DVD]
ハ・ジョンウ
ファインフィルムズ
2014-01-07