ジャナ・デリオン著、島村浩子訳
 南部の田舎町シンフルに身をひそめるCIA工作員のフォーチュン。厄介事を片づけ平和が訪れたと思ったのもつかの間、元ミスコン女王のパンジーが帰省し、さっそく大衝突してしまう。しかもその後、パンジーは他殺死体として発見されたのだ。容疑をかけられたフォーチュンは地元婦人会の曲者アイダ・ベルとガーティと共に真犯人捜しに乗り出す。
 前作からの作中時間、わずか1日(も経っていない)。この町トラブル起きすぎだしさすがにフォーチュンを狙う暗殺者たちが嗅ぎつけてくるのでは?と心配になってしまう。アイダ・ベルとガーティの自由奔放さも絶好調。フォーチュンを翻弄し続ける。ドタバタ感とカラっとしたユーモアが楽しい作品だ。南部におけるいわゆる「女らしさ」やつつしみとは無縁のフォーチュンは、町の中では異色だし、アイダ・ベルたちの対抗派閥の反感をかいまくる。とはいえ本作のいいところは、フォーチュンとそりの合わない人、価値観が違う人のことも貶めた描き方ではない、そういう人を否定はしていない所だと思う。色々な人がいて、面倒くさいけど面白い。クセが強くてもいいじゃない。また、前作に引き続き、世代を越えたシスターフッドが見られるのもいい。女性達がとにかく生き生きとしており、「女らしく」なんてものを蹴散らしてくれる。

ミスコン女王が殺された (創元推理文庫)
ジャナ・デリオン
東京創元社
2018-09-20





ワニの町へ来たスパイ (創元推理文庫)
ジャナ・デリオン
東京創元社
2017-12-11