くるり、宇野継雅著
 1996年京都で結成され、メンバーを入れ替えつつも現在に至るまで走り続けるバンド、くるり。メンバーの岸田繁、佐藤征史に音楽ライターの宇野が聞き取り、くるりの山あり谷ありの旅路を追う。
 くるりがメジャーデビューしたのは1998年。京都の大学(岸田、佐藤、初代ドラマーの森は立命館大学の音楽サークル出身)からユニークなバンドが出てきたと音楽ファンの間でちょっと話題になり、実際に聴いてこれは面白いなと思った記憶がある。私はアルバムがリリースされれば聴き、ライブにも通ったのでファンと言えばファンなのだが、実はくるりというバンドがどういう成り立ちなのか、インタビューにどのように答えてきたのかということはよく知らなかった。つまり音楽そのもの以外はさほど知らなかったということになる。今回初めて、この人たちはこういうことを考えてきたのか、音楽に対する姿勢は(音楽で表現される部分以外は)こういうものだったのかと、20年越えにしてまさかの新鮮さを感じた。
 くるりといえば岸田、佐藤以外のメンバーの出入りがやたらと激しいという印象だったが、出入りそれぞれの事情と経緯にはなるほどなと納得。あの時期のドラムがいいとか、あのライブの時の体制がすごくよかったとか、個人的にそういう思い出はあるが、過去は過去。やはり今のくるりが一番面白いと思わせてほしい。彼らがデビューしたのは日本の音楽業界にかろうじてまだお金があった次期で、その後は右肩下がりな一方。業界が変化していく様とバンドがどのように「営業」していくかという様がリンクしており、ここ20年くらいの音楽業界の変容という視点からも面白かった。激動だったよな・・・。それにしても、岸田さんは結構頻繁にプライベートをこじらせそれが毎回仕事のモチベーションに響いているんですね・・・創作とはそういうものかもしれないがご自愛ください・・・。
 なお私が好きなくるりの曲は「HOW TO GO」、「ブレーメン」、「ハローグッバイ」、「Liberty&Gravity」です。

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くるり
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2019-04-26





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