ロシア近海でアメリカ海軍原子力潜水艦が消息を絶った。近くでロシアの潜水艦も狙撃されたらしい。捜索に向かったジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)率いる攻撃型原潜ハンターキラーは、現場付近に沈んでいたロシアの原潜から生存者を救出。一方、米軍特殊部隊はロシア内部の動きを探るために潜入作戦を開始するが、世界を揺るがすクーデターが起こっていると判明。ハンターキラーには絶対不可侵のロシア海域へ潜入するミッションが課せられる。原作はドン・キース&ジョージ・ウォーレスによる小説。監督はドノバン・マーシュ。
 アメリカ軍にしろロシア軍にしろ、艦長の慕われ方がすごい!人生の明暗をわけるのは人徳だ!ぶっきらぼうだが有能でリーダーシップのあるグラスに部下達、特に副艦長がデレる様が圧巻である。そりゃあジェラルド・バトラーについていけば絶対死ななさそうだし頼りがいありすぎるくらいありそうだんもんな・・・。グラスがどのように経験豊富で有能であるかということは様々なシチュエーションで示唆されるのだが、何よりもまずバトラーが演じているという点で説得力が出ている。対してロシア艦長の方は、この人は本当に部下のことを大事にし、部下から信頼されていたんだなと納得させられる良いシーンがある。ベタはベタなんだがやはりぐっとくる。上司はかくありたいものよ・・・。良き上司として徳を積んでおくといざという時命が救われるのか。アメリカとロシア、立場は違うが潜水艦乗りであるという共通項で共感・理解し合うという「ライバルと書いて友と読む」な少年漫画的要素にも燃えた。
 私は元々、飛行機内とか船・潜水艦内などの降りたら死ぬ密閉空間で展開するサスペンスが苦手なのだが、本作は楽しく見ることができた。ストーリーが潜水艦内だけでなく、特殊部隊が作戦を遂行中の地上でも展開されるので、閉そく感が薄いのだ。そして特殊部隊サイドでもひねくれ上司とちょっと頼りない新人隊員の絆が発揮される。こちらは上司のデレになかなかぐっときた。更にロシアサイドでもまさかの上司と部下の深い絆が。プロ意識のたまものではあるのだが、双方大分個人的な思い入れがありません?!と注視してしまった。

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)
ジョージ・ウォーレス
早川書房
2019-03-06






ハンターキラー 潜航せよ〔下〕 (ハヤカワ文庫NV)
ジョージ・ウォーレス
早川書房
2019-03-06