2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ると宣言。地方新聞社を傘下に持つナイト・リッダー社ワシントン支局の記者、ジョナサン・ランデー(ウッディ・ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)は大統領の言葉に疑問を持ち、真実を探り始める。監督はロブ・ライナー。
 91分というコンパクトさが素晴らしい!ストーリーがぎゅっと凝縮されており濃密。ロブ・ライナー監督自身、編集長ジョン・ウォルコット役で出演しているのだが、頼りがいのある雰囲気を出しており良かった。ランデーとストロベルがウォルコットのことをすごく尊敬していて、男の子っぽいワクワク、キラキラ感を見せるのがちょっとかわいかった。うちのボスやっぱりすごいぜー!ボスおれたちがんばったよ褒めて褒めてー!みたいなまなざしでちょっと子犬っぽさがある。実際にウォルコットはすごく出来る人なわけだけど。
 彼らの戦いは負け戦になると、映画を見ている側はわかっている。フォックスを始め大手新聞社はのきなみ政府の発表を鵜呑みにした報道に偏重し、その偏重した情報が国民に浸透していく。正しいことをしているはずなのに不審の目で見られてしまうランデーとストロベルの辛さと納得いかなさがじわじわ伝わる。それでも彼らは自分が正しいと思うことをやり続けるのだ。それがマスコミとしての使命であり責任だから。ナイト・リッダー社の記事を掲載しなくなった新聞社が、「読者が喜ぶ記事を載せないと」というが、それはもう報道ではないだろう。
 ランデーの妻が、愛国者と愛国主義は違う、愛国主義は嫌いだと言う(彼女はスラブ地方出身、愛国主義の蔓延でボロボロになってしまった国から来たというわけだ)が、これって本当にその通りだよなと深く共感した。今の日本も愛国主義ばかりで愛国ではないのでは。ランデーの妻によるとアメリカ人は(国というものの捉え方が)「ナイーブ」だそうで、苦笑いしてしまった。

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