ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)は、息子の同級生の派はおオアy・エミリー(ブレイク・ライブリー)と親しくなる。エミリーは華やかなファッション業界で働いており、夫はスランプ中だが有名作家。保険を切り崩して生活し特技は料理というステファニーとは真逆だったが、2人は秘密を打ち明け合うほどに仲良くなっていく。ある日、エミリーから息子のお迎えを頼みたいと連絡が来る。快く引き受けたステファニーだが、エミリーはそれきり姿を消してしまった。原作はダーシー・ベルの小説『ささやかな頼み』。監督はポール・フェイグ。
 正にアナ・ケンドリック劇場。ちょっとウザい、若干自信なさそうなステファニーが、だんだんしぶとくずぶとく、ある才能を発揮していく様がケンドリックに似合いすぎる!ライブリーと並ぶと全く別の生き物のように見える異種格闘技戦感には笑ってしまった。プロポーション・・・。しかしそれが全く難点になっていない所がケンドリックの強さだろう。
 ステファニーがよく「聖人みたい」と言われるというエピソードが出てくるが、これは揶揄であることが随所からわかる。いい人、善意の人ではあるのだろうが、その善意や熱意は若干有難迷惑なのだ。学校のイベントで張り切り過ぎて他の保護者たちがひいている様が生々しい(保護者といっても学校イベントに割ける労力ってまちまちだから、1人にはりきられると他の人は辛いよね・・・)。全身からポジティブオーラを発揮している所や差し入れ料理のクオリティが無駄に高いあたりも、これは保護者仲間からは敬遠されるだろうなーという雰囲気がばしばし伝わる。彼女とエミリーが仲良くなるのは、お互い他に友人がいないからというのもあっただろう。
 基本サスペンスのはずなのに、後半に行けばいくほどスクリューボールコメディ的なおかしさが募ってくる。ステファニーがどんどん暴走を始め、隠された才能が開花していく。彼女が頭がよく行動力もあることは、ブロガーとしての振る舞いからも随所で察せられるんだけど・・・。演出がどんどん上手くなってるのだ。学習力高い!エンドロール前にさらっと言及される「その後」のオチには笑ってしまった。こんな「名探偵誕生」ってあります?!なおPTAの父兄(だけでなく警官とか保険調査員とか)が民族も性別もまちまちで絵にかいたような「多様性」なところにはリアルさというよりも何かの揶揄のようなものを感じてしまった・・・。実際は地域によって偏りがあるんじゃないかなとか。


 
ささやかな頼み (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ダーシー・ベル
早川書房
2017-05-24






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