上阪徹著
 広告制作からスタートし、実用書から有名人への取材まで様々な著作を送り出してきた著者が、「人に読んでもらえる」という1点に絞り、文章を書く際の秘訣を解説。
 文章はほぼほぼ既存のデータで構成されている(だからこまめに観察とメモ、形容詞はいらない)、上手い文章を書こうとしなくていい、話すように書けばいい、まずはざっくり書通してみて後から調整する等のアドバイスは執筆素人にとって実用的。いわゆる美文や新聞記事のようなかっちり構成された文章が「いい文章」というわけではなく、プロではない人が書くのなら内容が正確に伝わる、読みやすいものが「いい文章」という意味。まずはそちらを目指した方がいいという方向の指南書だ。文章は情報を伝えるもの、という点に徹している。情報を伝える道具である文章の怖さについても言及されており、題名の通り「大人の文章講座」入門としてはとっつきやすい。
 何を書くのかという点についても、感想ではなく見たことあったことを、という指摘は、文章を書きなれていない人にとって目安になっていいのでは。メールやSNSでの文章の書き方アドバイスも盛り込まれており、対象年齢はやや高めな印象(でも若い人にももちろん役に立つと思う)。とは言えビジネス文書やレポート向けの文章の書き方指導というわけでもないし、何の為の文章を想定しているのか?と思っていたら、最後に「自分史」の書き方というオチがついてずっこけましたね。そこかよ!



文章読本さん江 (ちくま文庫)
斎藤 美奈子
筑摩書房
2007-12-10