国防軍第15統合任務部隊に所属する須郷徹平(東地宏樹)は極秘の軍事作戦に参加していたが、作戦は失敗し、先輩である大友逸樹(てらそまさき)は現地で行方不明に。3か月後、国防省が無人ドローンに襲撃される事件が起きた。被疑者となった須郷の前に現れたのは、刑事課一係執行官・征陵智己(有本鉄陵)だった。
 常守が一係に配属される前の話なので、あの人もこの人もまだご健在で・・・と何となく寂寥感を感じてしまう。宜野座がまだきゃんきゃん言っている時代の宜野座だよ・・・懐かしい・・・。それはさておき、『劇場版PSYCHO-PASS』で特に説明もないまま新キャラクターとして登場していた須郷がどういう人で、どういう経緯で一係に来たのかという補助線的なエピソードと言える。
 ディストピアSFである本シリーズらしいエピソードなのだが、中心にいる須郷と征陵があまりディストピア的でない、オールドタイプな軍人であり刑事な気質の持ち主だという所が面白い。須郷の正直で熱血漢的な部分や、征陵の勘と長年の経験に基づく刑事としての能力等、いつになく温度が高い。同時に、こういうタイプの人は、本作で描かれているような社会の中ではマイノリティであり生き辛いんだろうなと思わせる。人間を数値化できない、合理を受け入れきれないタイプなんだろうなと。本作のキーとなる人もおそらくそうなのだ。人間に対してただ一人の存在としての尊重がないと、やりきれないのだろう。
 征陵は刑事としては有能で後輩刑事からも尊敬されている。能力面だけでなく、人間的に尊敬されているのだ。しかし家族に対しては、決して良き父親、良き夫ではなかった。仕事にかまけすぎていたという自覚はあるが、そもそも家族として上手く機能するタイプの人ではないようにも思う。息子に示されるべきだった父性は、(TVシリーズにおいても)仕事の中で出会った他人に向けて示されているような気がしてちょっと切ない。