ジョー・ネスボ著、戸田裕之訳
同僚刑事が殺された事件を3年間追い続けていたが、手がかりは途絶え捜査に行き詰まり、酒におぼれ免職を命じられたハリー。そんな折、オスロで猟奇的な殺人事件が起きる。しかも連続殺人の恐れが出てきた。ハリーも捜査に加わり奔走するが。
とにかくハリーが一貫して具合悪そうなので、事件云々よりもアルコール依存症と不眠が心配になってしまう。ハリーは刑事としてどころか、普通の社会人としての体をなさなくなっていくのだ。近くによると凄まじい臭いがしそうなんだもんな・・・。刑事としては有能で、ある真実にもたどり着くものの、それは彼を幸せにしないし魂を救いもしない。色々片をつけていくものの、むしろこの先ハリーは地獄を歩み続けることになるのではという予感しかしない。連続殺人の陰惨さ、犯人野猟奇性は、ハリー個人の地獄と比べるとギミックのようなもので軽く感じられてしまうのだ。事件が解決しても全く安心感も爽快感もない。ハリー本人の状態が危機をひきつけているように見える。

悪魔の星 上 (集英社文庫)
ジョー ネスボ
集英社
2017-02-17





悪魔の星 下 (集英社文庫)
ジョー ネスボ
集英社
2017-02-17