カリン・スローター著、田辺千幸訳
 田舎の大学町の湖で、若い女性の死体が発見された。ナイフで刑事を刺して逃げた若者が逮捕され、犯行を自供したものの、拘留中に両手首を刺して自殺。壁には無実を訴えるメッセージが残されていた。地元警察の不手際により招集されたジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントは、若者の自供に疑問を持ち、対処した警官たちは嘘をついているのではと疑い始める。
ウィル・トレントシリーズとしては『ハンティング』から続く作品なので、ウィルと医師サラ・リントンとの関係はまだ何とも言えない段階のもの。この後の作品を読んでいる読者からすると、ここからよくステップアップしたなというぎこちなさを感じる。本作の舞台はサラの実家がある町で、彼女の亡き夫ジェフリーの死を引き起こした(とサラが考えている)警官レナ・アダムズが今でも勤務している。サラは概ね冷静で有能なのだが、ジェフリーの思い出、そしてレナが絡むと途端に感情的になり取り乱す。彼女の傷の深さがわかるが、この先も読んでいるものからすると、そろそろこのネタ切り上げませんかという気も・・・。このシリーズ、基本的にネタの引っ張りがくどいな・・・。
シリーズの他作品に比べると、事件の真相はかなりすっきりしない。残虐度は比較的低いのだが、人間が保身のためにやってしまうこと、それがどんどん事態をこじられせていく様のスケールのしょぼさが逆にしんどい。

サイレント 上 (ハーパーBOOKS)
カリン スローター
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2017-06-17






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