(本作、構造上ネタバレせずに感想を書くのがすごく難しそうだが、なるべくネタバレなしで書いてみます。)
 仮面ライダージオウこと常盤ソウゴ(奥野壮)の世界で、仲間たちが次々と記憶を失うという異変が起きた。ソウゴは仮面ライダービルドこと桐生戦兎(犬飼貴丈)と協力して原因を探るが、2人の前にスーパータイムジャッカー・ティード(大東駿介)が現れる。ティードはシンゴという少年を追っていた。監督は山口恭平。
 歴史改変SFとしてはどうなんだとか、この人結局何をやりたかったんだろうとか、ストーリー上の強引さは相当ある、そもそも歴代平成ライダーが全員登場するという大前提が強引だ。しかし、なぜ全ライダーが来る必要があるのか、誰の為に来るのか、という部分がすごく力強く打ち出されて、コアなファンと言うわけではない私でも胸を打たれるものがあった。ファンなら思わず泣くのでは。登場するライダー全員は知らなくても、1人でも同じ時代を生きたと思えるライダーがいる人には刺さってくると思う。平成最後に贈られてきた、製作側から歴代視聴者への渾身のプレゼントだ。
 仮面ライダーというジャンルのみならず、特撮にしろ漫画にしろアニメにしろ小説にしろ映画にしろ、全てのフィクションを愛する人ならこの気持ちわかるんじゃないかな、というものが全編に満ちていた。この世界で仮面ライダーはもちろんフィクションなわけだが、同時にファンが覚えている限り生きていて、それぞれの人生に並走している。たとえ忘れてもどこかで生きている。作中のある台詞に涙したファンは多いのでは。
 スーツアクターによるアクションがかなり豪華(何しろ人数が多い!)で見応えがある。歴代ライダーそれぞれの特徴も分かりやすい演出だった。この頃は肉弾戦中心だったんだなとか、この時期はギミックが増えたんだなとか、キックの方向性の変化とか、色々楽しいのだ。また、バイクアクションが結構ガチなのも嬉しかった。すごくいいショットがある!