レコードショップでブラーのアルバムを選んでいるナタリー(フレイア・メイヴァー)にミュージシャンのリアム(ジョシュ・ホワイトハウス)が声をかけ、2人は恋に落ちる。バンド活動で成功を掴もうとするリアムを支えるために、ナタリーは自分の夢は後回しにして広告会社で働き始める。しかし2人は徐々にすれ違い、やがて別れを決意する。監督はダニエル・ジェローム・ギル。
 2人の出会いのきっかけがイギリスのバンド・ブラーなので彼らのアルバムのタイトルをそのまま映画タイトルに使っているのだが、ブラーがからむのはそこだけ。ちょっとがっかりである。また映画本編も、わざわざこの題名にしたくらいだから当時(90年代)のブリティッシュロック、ポップスを多用した音楽映画なのかなと思ったら、使うことは使っているけど期待したほどではなく、本編はかなり手垢のついた感のあるラブストーリーだった。ストーリー以外に何か突出した個性(それこそ音楽の使い方とか)があればよかったんだけど、音楽映画としては中途半端だと思う。
 レコードショップでブラーのベストアルバムを選ぶナタリーに、リアムはベストアルバムを選ぶなんて邪道、順を追って聞かないと彼らの音楽の本質はわからない!と説教をかます。初対面でいきなりマウントかましてくる(が、ナタリーに逆マウントされる)イタい奴だ。この時点で好感度はぐっと落ちるのだが、その後も彼の姿勢は改まらない。彼はアナログレコードとCD愛好家でiPodもダウンロードも大嫌い、携帯も持たないという徹底ぶり。それはそれで一つの主義として構わないのだが、自分の主義を理由に他人の好みや人生にダメ出しするなよと言いたくなった。また、ナタリーと付き合い始めて以降の彼の態度はほぼヒモ。ミュージシャンとしても、ナタリーのパートナーとしても、この先続ける為にどういう努力をしているのかという部分が全く見えてこない。フェス(当然ナタリーがチケットを買っている)でナタリーがキレるのも当然だよな・・・。終盤の展開はリアムの夢なのではないかと思う。それ、多分ナタリーが求める優しやや思いやりとは違うぞ!
 夢に生きる男性と生活に立ち返る女性という古典的な人物造形で、2010年代(物語の舞台はもうちょっと前っぽいが)にこの内容は今更感が強いのではないかなと思う。ヒモとそれを養う側のあり方はどの時代でも変わらないということかもしれないけど・・・。また、広告会社で活躍するようになった後のナタリーのライフスタイルが、いかにもいかにもな感じで、カリカチュアされすぎな気がする。こういうライフスタイルに対して悪意があるのか想像力がないのか・・・。リアムと同棲している頃の自宅のインテリアや服装、またリアムの実家は実体感あるんだけど。全般的に登場人物が紋切的すぎるように思った。