FBIの人質救出部隊のリーダーだったウィル・ソーヤー(ドウェイン・ジョンソン)は、ある事件で大怪我をし左足を失った。10年後、危機管理コンサルタントとして働くウィルは、香港に建設された高さ3500フィートの超高層ビル「ザ・パール」の本格稼働に向け、オーナーのジャオから安全管理チェックを依頼される。家族と共にザ・パールに滞在していたが、ある犯罪組織がビルに侵入していた。監督・脚本はローソン・マーシャル・サーバー。
 冒頭の立てこもり現場への突入シーンが、最近の大作映画にしては珍しいくらいに作りものっぽくてすごく気になってしまった・・・。ザ・パールの内部構造も、これ本当に自立できるの?とかなぜそこにコントロールパネル付けるの?とか突っ込みがいがありすぎる。まあ一貫して「細かいことは気にするな!」ってノリの映画だからそんなに気にはならないのだが。
 240階建てのビルが舞台で高所でのアクションが満載。高所恐怖症の人は楽しめるのだろうか。ウィルはそんなに高い所が得意という雰囲気でもない(嫌々やっている感がある)のだが、家族を救う為に止む無くビルに挑む。対して、ビルのオーナーであるジャオ(チン・ハン)のザ・パールに対する思い入れはちょっとどうかしている気がした。自分がオーナーだから当然と言えば当然なのかもしれないが、高層であることにそんなに拘る必要はないのでは・・・。ビルの維持だけで大赤字になりそうな気がするんだけど(実際コスト高くて、みたいなセリフはある)。彼がなぜ超高層ビルを建てようと思ったのかが気になってしまった。何か、すごく屈折したものがあるんじゃないかとわくわくしてしまった。
 ジョンソンは全く死にそうな雰囲気がないので、何をやっても安心感があるのだが、今回も同様。義足が大してハンデになっていない、むしろここぞというところで役に立っている!格闘戦においても寝技・絞め技の強さが強調されるだけで全然不自由な感じがしないんだよね・・・。本作の面白い所は、ウィルだけでなく妻も強いと言う所だろう。助けられるだけの存在ではなくそこそこ戦うし勝つ!強い!結構戦闘的なのだ。子供たちにしても、家族の関係がしっかりしていることが序盤できちんと表現され、信頼関係が揺らがないので安心感がある。家族映画としてもいいのだ。
 なお本作一番の功労者はダクトテープではないかと思う。『オデッセイ』(リドリー・スコット監督)なみのダクトテープ映画。ダクトテープ無双である。初めて見るパターンの使われ方に加え、いやいや冗談でしょー!ってパターンもあった。トム・クルーズでもやらなかったやつよそれは。

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