高橋久美子著
 元チャントモンチーのドラマーであった著者が、バンド脱退後、文筆家として綴った6年間分の文章をまとめた一冊。
 私はエッセイ、随筆等を読むとき、著者がどのような人なのかということはあまり考えずに読むし、文章を読んで書き手に対してこういう人なのかと思うようなことはあまりない。ただ本作の場合は、ああこういう人だったのか!と感慨深く感じた。私にとって著者はまだ文筆家ではなく、元チャットモンチーのドラマーとしての高橋久美子なんだろうなぁ・・・(著者にとっては不本意だと思うが)。部活への打ち込み方や大学での奮闘、バンド脱退後の仕事のやり方、妹との海外旅行など、思い切りが良すぎかつ常にフルスイングで、なんだか台風のような人だ。各地でのアート展開催までのてんやわんやなど危なっかしすぎて読んでいてハラハラする。所々で登場する家族のおおらかさと温かみ(特に母、妹)、結婚後の「一人と一人」という感じの生活のあり方等、周囲の人の様子から著者の人柄が浮き上がってくる感じもする。好ましいエッセイ集だった。

いっぴき (ちくま文庫)
高橋 久美子
筑摩書房
2018-06-08


太陽は宇宙を飛び出した
高橋久美子 白井ゆみ枝
フォイル
2010-07-16