カリン・スローター著、鈴木美朋訳
 郊外の車道で車にはねられたという、意識不明の女性がERに運び込まれた。彼女は裸で体には拘束・拷問された跡があり、肋骨が一本抜き取られていた。ジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントは現場に急行し、森の中で地下に掘られた拷問部屋を発見する。部屋の形跡からは、女性はもう1人いたのではないかと思われた。
 ウィル・トレントシリーズ3作目(日本での出版は2作目。実際の順番とちぐはぐでわかりにくいな・・・)。シリーズ前作『砕かれた少女』で初登場した人物が再登場し、えっあの後そんなことになっていなのか!とびっくりしたり心配になったりするところも。事件は相変わらず血なまぐさいのだが、地元警察に足を引っ張られることで話が長くなっている(捜査が進まない)ように思える。特別捜査官てそんなに嫌われるの?アメリカの捜査機関の縄張り意識のニュアンス、いまいちわからないんだよなー。犯人の特定が少々唐突で都合良すぎる気もするが、その唐突な登場は犯人の周到さ、粘着さを表すものでもある。
 なお、ウィルと周囲の女性たちとの関係が相変わらずもたついている。ウィルは自分の生い立ちや識字障害を頑なに隠そうとし、その気持ちはわかるのだが、その部分を整理しないとアンジーとの関係はこう着状態だし他の女性(に限らず他人)との関係が深まることもないんだろうな。

ハンティング 上 (ハーパーBOOKS)
カリン・スローター
ハーパーコリンズ・ ジャパン
2017-01-25


ハンティング 下 (ハーパーBOOKS)
カリン・スローター
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2017-01-25