崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」のあるイスラ・ヌブラル島では、火山活動が活発化していた。テーマパークの運営者だったクレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)と動物行動学者のオーウェン・グレイディ(クリス・プラット)は生き残った恐竜たちを救出しに向かうが、火山の大噴火が起きる。監督はJ・A・バヨナ。
 ちょっとネタバレっぽくて恐縮だが、邦題サブタイトルの「炎の王国」はなんと前半のみ!しかしバヨナ監督がジュラシックシリーズという素材をいかに自分のフィールドに引きずり込んでいくかという試みにも思えて、なかなか面白かった。前半は今までのジュラシックシリーズを継承した、フィールド上での移動を中心とした恐竜たちとのアクション。そして後半はまさかのゴシックホラー的舞台へと移動する。予告編は後半要素をかなり控えめにしたものなので、いいミスリード。冒頭、海中シーンから始まるというのも意外性があると共にかなり怖くて(何しろ暗いので)わくわくした。
 バヨナ監督といえば『永遠のこどもたち』を撮ったホラー畑出身の人で、特に暗がりの使い方、室内の演出は上手いなという印象がある。何かがそこにいる、という匂わせ方、気配の作り方は本作でもばっちり。かなりわかりやすく怖がらせてくれる。ホラー演出としてはわりとベタというか王道中の王道で、いわゆる「後ろ後ろー!」シチュエーションが最近珍しいくらい多用されている。
後半の舞台装置や展開には、これジュラシックシリーズでやらなくてもよかったのでは?という声もありそうだが、美術のクオリティの高さもあり、恐竜と場所の組み合わせの意外さが個人的には楽しかった。後半は舞台の性質上、中~小型恐竜中心に活躍するのだが、これも楽しい。ブルーのファンは必見だろう。
 これまたホラーの定番らしく子供が登場するのだが、単に怖がり・叫び要員かと思っていたら、結構なキーパーソンだった。なるほどこの世界設定であれば・・・という、シリーズの設定を象徴するような存在なのだが、それ故に基本設定が含む気持ち悪さみたいなものが滲む。恐竜よりも火山噴火の方が恐ろしく、恐竜よりも人間の執着の方が気持ち悪い。

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