学校で居残りをさせられていた高校生スペンサー(アレックス・ウルフ)、フリッジ(サーダリウス・ブレイン)、ベサニー(マディソン・アイスマン)、マーサ(モーガン・ターナー)は、ジュマンジというソフトが付いた古いTVゲーム機を見つける。さっそく遊び始めるが、TVゲームの中に吸い込まれ、各自選択したキャラクターの姿になっていた。スペンサーたちはブレインストーン博士(ドゥエイン・ジョンソン)、動物学者のフィンバー(ケビン・ハート)、地理学者のオベロン教授(ジャック・ブラック)、格闘技の達人ルビー(カレン・ギラン)となって、現実世界に戻る為ゲームクリアに挑む。監督はジェイク・カスダン。
 1995年に製作された『ジュマンジ』の続編だが、まさか今になって続編を見ることになるとは・・・。前作はそんなに面白いと思わなかったのだが、本作は「アバター」役の俳優たちの演技の達者さもあり、なかなか楽しかった。とにかく気軽にさくっと見られて、気分よく見終われる所がいい。中身はナードで言動がビビリなジョンソンや、見た目はぽっちゃりおじさんなのに言動はイケてる女子なブラックはとてもよかった。特にブラックは、彼が演じることでベサニー本来の人の良さがよりにじみ出ており、キャラクター造形が成功しているように思う。
 ゲーム世界内の設定は「ゲーム」としての厳密さがゆるく、どちらかというとディティールが「ゲームっぽい」という程度なのだが、高校生たちの不調和音チームものとして楽しかった。(言うまでもなく『ブレックファスト・クラブ』という名作があるが)アメリカ人は補習・居残りものという映画ジャンルが好きなのだろうか。最近だと『パワーレンジャー』も補習から始まっていたし。自分とは全く別ジャンルの人と出会う機会として手っ取り早い設定ではある。
 本作では自分とは別ジャンルの人と一緒に行動するだけでなく、自分自身のアバター(ゲーム上でのキャラクター)が本来の自分とは全く違う姿・能力を持つので、自分もまた他者になっているとも言える。他者を体験することで、他人の立場を想像できるようになっていくのだ。同時に、見た目や能力が変わっても本来の自分の資質は変わらないということと、見た目に引っ張られて内面も変わることがあるという部分の兼ね合いも丁度よく提示されているように思う。ブレインストーンが発揮する勇気は、元々スペンサーの中にあったものなのだろう。
 ゲームの中の体験が現実にもちゃんとフィードバックされるラストがいい。特にベサニーがある人物と会った時の双方の対応にはちょっとほろりとさせられる。そしてある人物のTシャツの趣味が一貫しているところにほっとしましたね!

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