心臓外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は美しい妻アナ(ニコール・キッドマン)と2人の子供に恵まれ、郊外の閑静な住宅地で暮らしていた。スティーブンは16歳の少年マーティン(バリー・コーガン)と時々会っている。マーティンを家族に紹介した時から、奇妙なことが起こり始める。監督はヨルゴス・ランティモス。
 奇妙な復讐劇というかホラーというか・・・。呪われる理由はあるものの、呪いの表出の仕方が独特かつ発動・収束システムがいまいちわからない(収束方法の説明はあるけど筋が通っているかというと・・・)。呪いの表出よりも、理屈が通じない、話が一方的で対話にならない部分がホラー的に怖かった。
 とは言え呪いそのものというよりも、そういう理不尽さに直面した時にスティーブンがどのように振舞えるかという所の方が重要な話だし、呪いの発動元もそこを見たがっていたんじゃないかと思う。マーティンもスティーブンの息子でまだ幼いボブも、スティーブンの体毛の濃さを妙に気にする。嫌がると言うよりうらやむ、面白がると言う感じ。「大人の男」としての印に引き付けられているということになるのか。マーティンはスティーブンに彼が考える「大人の男」を強要しているようにも思える。
 マーティンが考える「大人の男」は、セックスという要素も含むのだろう。スティーブンはマーティンの母親からセックスの誘いを受けるが、拒む。もちろんこの場合拒むことが「大人」としての適切な振る舞いなのだが。一方家庭では、死体のふりをするアナを見ながらオナニーするという関係。実際の所はセックスしようがしまいが大人たることは出来るのだが、マーティンが考える「大人の男」ではない。そもそもスティーブンは「大人の男」というよりも「大人」としての振る舞いがなかなか出来ない。彼は延々と迷い続け、追求も決断も保留する。対してアナの言動と決断は明瞭だ。あるシーンでは明瞭すぎてそこまで言う?!と思ったくらい。

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