精神科医のスティーブン・グリーン(エリック・バナ)は、取り壊しが決まった精神病院を訪れた。転院手続きの為、赤ん坊殺しを犯した精神障害犯罪者として40年間収容されているローズ・F・クリア(バネッサ・レッドグレーブ)の診断を依頼されたのだ。ローズは自分の名前はローズ・マクナリティで赤ん坊殺しはしていないと訴え続けてきた。グリーンは彼女が聖書に書き込んだ手記を読み、彼女の話に耳を傾けていく。監督はジム・シェリダン。
若き日のローズ(ルーニー・マーラ)のロマンスは美しくも過酷なのだが、全般的にはロマンチックな味わいがあり、そこがちょっとユニーク。背景にあるのは当時(第二次世界大戦中)のアイルランドの社会、教会の価値観の偏狭さや自己欺瞞性で、かなり深刻な話なのだが、ローズのロマンスはロマンチックできらきらと輝いている。
ダブリンから疎開してきたローズは、おそらく当時としては精神的に自立した都会的な女性で、人目を引く美人。男性に対して臆さない(男性の目を見て話し、初対面の人ともダンスする)というだけであばずれ扱いされるなんて!と見ていて大変気分が悪かったが、現代でもこういう見方をする人はいるよな・・・。「彼女が色目を使った」ことにされるというのも、現代でもしばしばあることなのでうんざりする。
本作、ローズが愛するマイケル(ジャック・レイナー)以外の彼女の周囲の男性は概ねクズなのだが、英国派のマイケルを敵視するIRAはともかく、地元の神父であるゴーント(テオ・ジェームズ)の態度がひどい。勝手につきまとって振られたと思ったらその仕打か!何が聖職者だ!と突っ込みたくなるが、教会の権力って想像以上のものなんだなとうすら寒くもなった。ローズは気丈な性格で普通の男性はさっさと袖にしても、「神父」であるゴーントに対してははっきりとNoとは言えないのだ。教会の意思であれば、非人道的なこともまかり通ってしまう。スティーブン・フリアーズ監督『あなたを抱きしめる日まで』でもアイルランドの修道院の問題が取り上げられていたが、そこと重なる部分がある。ブラックボックス化した大きな組織ってろくなもんじゃないな・・・。
若き日のローズ(ルーニー・マーラ)のロマンスは美しくも過酷なのだが、全般的にはロマンチックな味わいがあり、そこがちょっとユニーク。背景にあるのは当時(第二次世界大戦中)のアイルランドの社会、教会の価値観の偏狭さや自己欺瞞性で、かなり深刻な話なのだが、ローズのロマンスはロマンチックできらきらと輝いている。
ダブリンから疎開してきたローズは、おそらく当時としては精神的に自立した都会的な女性で、人目を引く美人。男性に対して臆さない(男性の目を見て話し、初対面の人ともダンスする)というだけであばずれ扱いされるなんて!と見ていて大変気分が悪かったが、現代でもこういう見方をする人はいるよな・・・。「彼女が色目を使った」ことにされるというのも、現代でもしばしばあることなのでうんざりする。
本作、ローズが愛するマイケル(ジャック・レイナー)以外の彼女の周囲の男性は概ねクズなのだが、英国派のマイケルを敵視するIRAはともかく、地元の神父であるゴーント(テオ・ジェームズ)の態度がひどい。勝手につきまとって振られたと思ったらその仕打か!何が聖職者だ!と突っ込みたくなるが、教会の権力って想像以上のものなんだなとうすら寒くもなった。ローズは気丈な性格で普通の男性はさっさと袖にしても、「神父」であるゴーントに対してははっきりとNoとは言えないのだ。教会の意思であれば、非人道的なこともまかり通ってしまう。スティーブン・フリアーズ監督『あなたを抱きしめる日まで』でもアイルランドの修道院の問題が取り上げられていたが、そこと重なる部分がある。ブラックボックス化した大きな組織ってろくなもんじゃないな・・・。