地球が滅びつつある時代、人類移住計画を託された宇宙船コヴェナント号には、コールドスリープ状態の乗組員の他、長い航海の間、船の管理を任されているアンドロイド・ウォルター(マイケル・ファスベンダー)が乗船していた。しかし船にトラブルが起き、乗組員たちは予定外にコールドスリープを解除される。人間からと思われる信号を辿り未知の惑星に辿りつくが。監督はリドリー・スコット。
 私はエイリアンの造形とシチュエーション(密閉空間で次々に襲われる系)がとにかく苦手で、エイリアン3部作はTVで放送されている時にちらっと見ている程度(しかし『エイリアンVSプレデター』は劇場に見に行っていることを思い出した・・・あれはちょっと別枠ですよね)、前作『プロメテウス』は当然見ていない。更にリドリー・スコット監督作品自体が苦手で、はっきりと面白いかつ好きだと思えたのは『オデッセイ』のみ。しかし本作を見た人たちの反応がどうにもおかしなことになっているので、気になって挑戦してみた。
 結論から言うと、エイリアン初心者の目からも「それ、エイリアンいります・・・?」的案件だったように思う。確かに、前3部作におけるエイリアンがいかに生まれたかという話ではあるのだが、それ以外の部分に熱が入りすぎていて、『エイリアン』的部分が取って付けたような作り。ホラー映画のお約束的展開で、意外性もないしなぜいきなりこれを?という疑問ばかり膨らむ。SFとしても『オデッセイ』撮った(まあ原作が良くできていたわけだけど・・・)人とは思えない杜撰さ。近年のSF映画では、未知の惑星に降り立つ時には(大気の成分調査済みであっても)外気を遮断するヘルメットの装着はもはやセオリーだと思うのだが、本作はいきないノーヘル。これにはのけぞった。上陸後もそれは環境汚染では?逆に宇宙船内を汚染することになるのでは?と突っ込み所がありすぎる。つまり、撮る側がこういう部分はわりとどうでもいいと思ってるんだろうなぁ・・・。
 本作のメインはデイヴィッドの創造主病というか、クリエイションに対する妄執だろう。オリジナリティは持たないはずの「作りもの」が自分の創造主をエサにして新たな創造主になろうとするわけだが、それをエイリアンと絡める必然性て、あまり感じないんだよな・・・。
 なお俳優陣に関してはファスベンダー独り勝ち。ウォルターとデイビッドをちゃんと演じ分けているのには感心した。そもそもファスベンダー以外を魅力的に撮ろうという意欲が見受けられない。

プロメテウス [Blu-ray]
ノオミ・ラパス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2013-07-03