坂木司著
元ヤンでホストの沖田大和と突然彼の前に現れた小学生の息子・進。彼の出現により宅配便会社で働くようになった大和と進の生活を描く『ワーキング・ホリデー』シリーズから、スピンオフの短編集。これまでの作品で登場した脇役たちが主役を務める。
スピンオフといっても、本編を読んだのが大分前なので誰が誰だったか記憶があやふや・・・。読んでいるうちに、そういえばこんな人いたな、こういう人だったなと思いだし始めた。著者の作品は基本的に人に対する優しさ、信頼があるので、ちょっと難ありだったり冷たい面がある人でも、その裏にはこんなものがあるんだよとどの短編でもそっと提示してくる。さらっと読める、というかさほど読み応えはないのでファンに対してのおまけ的な短編集か。とはいえ、進が大和を訪ねていった経緯の話などは、母親の対応含めちょっといい。改札からは出ないとか、ちょっとした拘りに説得力がある。

ホリデー・イン (文春文庫)
坂木 司
文藝春秋
2017-04-07





ワーキング・ホリデー (文春文庫)